物理学

2014年4月22日 (火)

地味に設計が続いていたり・・・

電磁弁を設計してるのがだんだん楽しくなってきてしまった今日この頃。
たまに違ったもの設計すると面白いですね。
まぁ,どうしても制御って機械や物理の知識も必要になもんで,ナンダカンダで知識があることに気が付いた感じです(-w-;

さて,しみじみ考え始まると色んな事が。
電磁弁への流路を作ろうとすると,サーモスタットケースに新たに流路を作るわけなんですが,サーモスタットケースが小さく,どうも1/8B(6A)の継ぎ手が限界のような気がする。
溶接やロウ付けをすれば好きな径で空けられますが,いきなり最初からは気が引けます。

1/8Bとなると,配管外形は約10mmですので,ホース継ぎ手はどんなにあっても内径8mmぐらい・・・と思ったら,12mmとかってのがありました(笑
でも,継ぎ手の穴は8mmぐらいしかなく,ホント,つなぐのに無理やり作った代物のようです(-w-;
まぁ,現実的には8mm程度かな?と。
となると,シートのポート径は8~10mm程度になります。

冷却水圧力は1.1kgf/cm2なので,差圧はどんなにかかってもその値になります。
サーモスタットケースはラジエターキャップから10cm程度低い位置についており,1次側はシリンダーで,その更に1次側はウォーターポンプ。
ウォーターポンプもそんなに揚程はなく・・・と言うか,到底揚程が高いように見えるインペラではなく,実際はたいした差圧は無いでしょう。
最悪条件として考えても,加圧された系統ですから大気圧との差が最悪条件になり,少し多めで1.3kgf/cm2で見積もったとして,プラグが受ける力は0.65~1.02kgfとなります。


・・・てな感じで,結構マジで設計してたりします(-w-;


ざっくりと構造はまとまってきたのですが,全てを市販品・・・と言うか,ホームセンターにある部品で何とかしようとすると,やはり『あっちが・・・こっちが・・・』とうまくいかない。
どこかは自分で作って,自分の都合の付くところを作って逃げたいところです。

どこかないかなぁ~,と考えたら・・・

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こんな事して見ました(笑


いや,これネタに走ったわけではなくて,コレなら作れるなと(-w-;

バネの線材と言うとピアノ線やバネ鋼鋼材なんかが使われますが,ステンレスも使います。
弾性もそこそこあり硬く,何より腐食しにくいので条件によりステンレスでバネを作ることがあります。

主にSUS304で,その中でもSUS304-WPBと言うものを使うようです。
WPBと言う枝番が付きますが,基本的にSUS304と大きくは変わらないそうです。
また,中には更に耐食性の高いSUS316やSUS631も使うようです。

って,析出硬化系ステンレスのバネって,どこに使うんだろうね(-w-;

海水は・・・オーステナイトフェライト二層組織系じゃなかったっけ?
昔,海水の配管に使ったけど,びっくりするぐらい高かったっけな(--;

で,SUS304の細い線なら手に入るわけです。
ホームセンターなどで売っているステンレスの針金は,通常SUS304です。
かつ,SUS304であれば冷却水内でもたやすく腐食することはありません。


んじゃ,作っちまえと(・ω・


と言っても,バネの職人じゃないんで,やっぱりそこは素人精度ですけどね(-w-;
別に製品作るわけではないので,『素人精度じゃダメ』ではなく『素人が作る前提』で寸法を決めてしまえばよいわけで(ぉぃ

で,バネもちゃんと計算式があります。
その辺の説明は他のサイトにお譲りしますが,そのことを調べ事してたらちょうどいいソフトを発見。

設計ハンドブックばね設計プログラム ばねぴょん

このソフトを使って先ほどのバネを計算(数値を変えながら逆算)して見ると・・・

Sov_2

こんな感じらしいです。

密着になる荷重は1.7kgfだそうです。
押して見ると,2kgf位で押しているときの感触です。

適当に作ったからすぐダメになるかな?と何度か押しては放しを繰り返してみましたが,自由長は変化せず。
おぉ,ちゃんとバネになってる。

なんとなくですが,それっぽいものは出来たようです(・_・ ゞ

後は先ほど算出したプラグが受ける力に足りる分だけプリロードをかけ,縮めて組み込めばOK。
そこからソレノイドでストロークさせる長さを考慮し,プリロード時の長さがボディーに合うようにすればOKです。
この際,ストローク時に密着ではなく,多少隙間が開く条件にすれば,多少まきが不均一でも引っかからずに動くかな?と思います。


・・・と,半分ネタだったはずが,結構まじめに設計し始まっちゃいました(-w-;

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2014年3月30日 (日)

勉強する順番?

今日は雨ですね。
まぁ,ゆえに外の作業はできず,なんか雨の日はマッタリしてしまうので色々調べごとでも。

と言うか,のんびりしてたら家の庭をウサギが走っていきました。
『え!?ウサギ!?(OwO;』的なwww


茨城は野生の王国です(-w-;


今日読んでたのは熱伝導や熱交換についてだったのですが,その中で『熱浸透度』と言うものが。
異なる物質の界面での熱の伝わりやすさ,染み込み易さを考える上での値だそうです。
この数値が同じだと熱が効率よく伝わる,つまり放熱の効率がいいことになりますね。
で,これが電気のインピーダンスマッチングに例えられていました。


さて,ココで電気のインピーダンスマッチングが出てきましたが,これもなんだか面倒な話。
と言うか,『効率がよくなる』はオームの法則を解いていればすぐに分かると思います。
ただ,最初は『反射する』が訳が分からないと思うんです。

これね,そもそもなんで電波って飛ぶのよって話が分かってないと意味が分かりません。

というか,もっと言うと,導体の中を電子は自由に飛びまわれる,流れなくても導体の中で拡散するっていうイメージが無いと,意味が分からないと思います。

電波は電流が流れることによって磁界が生じます。
・・・云々・・・省略します(笑
でもココで一つこんがらがりませんか?

『電流が流れると』磁界が生じるんですよね?(苦笑

アンテナの構造を考えると,アンテナって両端が開放のものがたくさんあります。
え?開放じゃ電気ながれねぇジャン?って。


いえ,流れるんです。一瞬(ナノ秒)ですが。


と言うのが,さっきの導体の中に電子が拡散するって言う話です。
電源に導体をつなぐと,電子は導体の先まで拡散していきます。
拡散っていう表現がいいのかなぁ・・・

電子って,フワフワ・フラフラしてて光の速度で導体の中を飛び回ってます。
で,導体の中は自由に飛べるんですが,絶縁体の中には入れません。

なので,『行ける所』があるとフラフラ・フワフワと迷い込んじゃうんですね。

で,この瞬間は電子がそこへ流れ込んでいく(飛んでいく)ので,この瞬間は電子が流れていきます。

で,電源が交流だったらどうでしょう?
電子が一旦導体の中へ飛んでいきますが,しばらくすると交流なので電圧が逆になります。
なので・・・


導体から電子がバックし来ます(・ω・


電子が行ったり来たり,なんか電波飛びそうですね。


で,後は効率よく飛ぶように,アンテナの長さを波長にあわせて調整してあげればいいんですね。
そうすると電波は飛んでいきます。

で,この波長の話も大事です。
これが分からないと『折り返しダイポールアンテナって短絡のような・・・』となってしまいます。
いえ,当然のことながら直流かけたら短絡します。

長さがちょうど良いので反対側から来た信号とぶつかるときに,同じ電位になるんですね(・ω・

あ,因みにインピーダンスが不整合で反射する理由を簡単に言うと,『流れ具合』が異なるからです。
たくさん流れてきたのに,その先で通路が狭まったらそこで詰まっちゃいますね。
行き場を失い,戻ってくるのが反射です。
ナノ秒の世界で,目には見えない電気の世界なのでイメージわきにくいかもしれませんが・・・
これは,2ストロークエンジンの排気に装着されるチャンバーも同じです。
圧力波と言う見方から,コーンの形状が色々工夫されてますけどね。

考え方によっては,2stのチャンバーってわざとインピーダンスマッチングを崩して反射させているようにも見えます。
そう考えれば,流速が変動するし,周期も変動するので回転数によってチャンバーが効いたり効かなかったりするのも納得,波長が変動するわけですから。

と言うか,チャンバーを見たとき,伝播速度やらから計算しようとした時,波長が頭をよぎった人がココに (;-w-)ノ


はてさて,今回のタイトルなのですが,こう考えると似た現象がたくさんあり,基本的な挙動が同じように見えます。
温度は高いほうから低いほうへ移動する・・・これは電気も水,『流れ・移動』のあるものはすべて同じです。
(見かけ上逆転することもありますが,その場合はなんか仕掛けがあります)

というか,それもそのはず。
根底をなす物理学の法則は変わらないからです。
なので,先に根底をなす『約束事』をしっかりと勉強してからでないと,どこかでつまづいてしまいます。

しかし,この事を考えたとき,学校教育ってそうなってるでしょうか?
『高いところから低いところへ』なんて,5秒ぐらいの時間で先生が口で言っておしまいでは無いでしょうか?
そこをしっかり覚えるような事をしていないように感じます。

まぁ,勉強していくうちにいずれは気が付くことですが,なんか表面を進めているだけのような・・・
最も,限られた時間内に教えることを教えなければいけないし,小中学校は概要を勉強するのが目的と聞いた事があるので,そう考えればこれが妥当なのでしょうけれど・・・


私自身,仕事で流体力学的な要素にかかわるようになってから,電気への理解が深まった経験があります。
また,化学から量子力学に興味を持つようになってからは,更に電気への理解が深まりました。
何で?と言われれば,電子と言う粒子の性質・挙動が頭の中に入ったからです。

化学,数学,工学は,理論とつながり,つまり『理論のネットワーク』になっています。
パズルの解き方,ネットワークの流れの読み方を自分の中に積み重ねていかないと,膨大な理論のネットワークの中で迷子になってしまいます。
ここ数年,後輩に技術を教えるようになってから,『自分はどうやって覚えたっけ?』と思い出すことがあり,そのときに『順番逆じゃね?』と思う事が多くなりました。

これは私だけでしょうか?それとも・・・




そんな事を,ウサギが走り回る(笑)庭を眺めながら考える今日このごろです。

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2014年2月16日 (日)

アルミと鉄

さて,今日は久しぶりにCBRの整備を。
何でココ最近CBRに乗っていないかと言うと,チェーンが伸びてたんです。
で,金銭面やら時間の面やらでずっと手付かずだったのですが,まぁ,その両方ができて,気分も落ち着いてきたので,ここ数日から色々と手をつけ始めました。

で,今回は・・・と言うよりCBRのチェーン交換は初めてなのですが(苦笑
CBR250RRのチェーンは『428』と言うサイズのチェーンを使用しているのですが,おなじみの『520』サイズのチェーンにコンバートしました。
理由はただひとつ・・・

だって428,伸びるの早いんだもん。あのさ,CBR250RRは原二じゃないよ?(--;

いいか,よく聞け・・・
機械における正義とは・・・


耐久性だ(`・ω´・


えぇ,そりゃ大好きですとも。
パジェロとか,ランエボ,インプレッサのようなタフさ。
大好きです。


対比的にロードレース等の何もかにも捨て,犠牲にし,すべてを性能だけに捧げ,短い命を燃やしつくす『一発マシン』の儚さ,一瞬の輝きが愛おしく思えるのですが・・・


あれです,アスリートなどの全てをそれに捧げた的なかっこよさ,あれに近いですね。
あと,百万本のバラに登場する絵描きの心に残る,儚くも燃える恋の思い出のような。


あ,機械におけるキモオタとは,つまりこういう人のことを言います(・ω・


真の機械キモオタは思想や発想がキモイです。


まぁ,それはおいといて・・・
とりあえずチェーンのの交換がてら,520コンバートを行いました。
チェーンって意外と値段するんで,お金出してまた同じ結果が見えると言うのも嫌なので,もうこの際,520にコンバートしてしまいました。


で,ココでまさかの本日のタイトルです(笑


元のサイズとは異なるサイズのチェーンを使うため,当然,社外品のスプロケットを使う事になります。
で,社外品のスプロケットはアルミ製の方が圧倒的に多いです。
いや,超ジュラルミンや超々ジュラルミンなのは分かります。
うん,軽いのも分かります。
でもね・・・


常にチェーンに引っかかれながら回っているも同然の場所に,なぜ耐磨耗性の低いアルミを使うのか?私は理解できません(-w-;


大事な事なのでもう一度・・・
機械における正義とは・・・


耐久性だ(`・ω´・


って,そろそろゴミとか投げつけられそうだな・・・


まぁ,この辺は好みの問題でしょうから,好きなの入れるのが正解ですけどね(-w-;


と言うわけで,私は『耐久性』って物によだれが出る人なので,XAMのスプロケットを買いました。
XAMの広告ステキですよ?
ある意味,すごいキャッチコピーです。

『XAMには鉄がある』

・・・ね?
アフターマーケットのパーツにもかかわらず,『アルミではない』を売ったという,この強さ(苦笑
そのフレーズが頭に残っており,『やっぱり鉄のスプロケットがほしい』と思ったときにXAMを思い出してしまったわけです(-w-;


さて,だらだら日記だけじゃ役に立たないので,少しは技術的な話でも。
いえ,『超ざっくり説明!誰にも分かる工学講座的日記』を目指してるもので(笑

時折,アルミの方が強いと勘違いされている方がいますが,コレは違います。
引っ張り強度にしても硬度にしても,アルミよりも鉄の方がはるかに高いです。

じゃぁ,なんでアルミを使うのか?というと,軽いからです。

もうちょっと説明すると,軽いので厚みを増したり構造で強度を出してもトータルで鉄より軽く作る事ができるためです。
あくまで『上手く作れば』ですけどね。

たとえば,ツインチューブフレームなんてものがありますね?
断面は『目』の字の形をしており,見方を変えれば四角いパイプを3つ重ねた構造です。
同じ厚みの材料でも,板よりも箱形の方が丈夫,ましてやそれを3段重ねにしているのですから丈夫ですね?
また,パイプなので中は空洞,軽いわけです。
このように,『構造』で強度を出しつつ軽くしています。

コレは,ある意味以前説明した『トラス』と同じです。
形で工夫する事で強度を出し,全体としては少ない材料・・・言い換えれば軽くしているわけです。

では逆に,鉄でそれをやったらどうでしょう?
当然,鉄でも構造を工夫すれば丈夫にできますが,仮に3本重ねるにしてもそれぞれ1本のパイプ自体にも強度は必要です。
たとえば,薄く作ったら角の部分は良いものの,平面の部分に何か物をぶつけたりした時に凹んじゃいますよね?
だからと四角の面の部分にも強度を持たせようと厚みを増すと重たくなりますし,厚く作ればわざわざ合わせなくても強度が出てしまいます。

つまり,結果的に重たい挙句に不必要なまでに丈夫に仕上がってしまいます。

じゃぁ,パイプを細くし面が曲がりにくくすれば?っていうのもありますが,そうすると加工が大変です。
鉄はアルミのように柔らかくなく,曲げるのは大変です。
また,細くなった分,強度が落ちてしまいます。


あ,因みに工学の設計って,こんな風に『次から次へと出てくるモグラ』を延々とたたいてる・・・そんな感じです(-w-;

はい,『難しい』というより『大変』と言った方が合ってます。


と言うわけで,アルミのまねをするよりも,鉄はトラスの方が向いてるんですね(-w-;
『鉄のトラスフレーム』『アルミのツインチューブフレーム』というのは,金属の性質上,理にかなった構造なんです。

ただ,先ほどから聞いてても分かるとおり,トラスにしてもツインチューブにしても『構造』なので,新たにいいアイディアが見つかれば『鉄とアルミ,どちらが優れているか?』は変化します。
また,アルミよりも鉄の方が安いので,価格帯によってはどちらが適するかは変わってきます。
そのほか,今回のスプロケットのように,使う部分によってもどちらが優れるかは変わってきます。
『どちらが良いか?』は,機械的な観点,工業製品的な観点と,技術の進歩しだい,設計しだいで可とも否ともなるんですね。


とまぁ,こんな感じで『アルミと鉄は性質が異なるので使い方が違う』というわけです。
この使い方や性質が異なるため,『鉄のフレームはしなる』『アルミのフレームは突っ張る』と言った事がおきたりするわけです(苦笑

というわけで,今日は材質とその工学的な食し方でした。

さて,今日はチェーンアライメントの確認ができなかったし,タイヤのエア確認もできなかったので,明日も延長戦です。

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2013年12月26日 (木)

インジェクションとMAPセンサー

さて,年末に向けリードバルブ買ったりガスケット買ったり・・・休日をバイクや車を弄って過ごす準備万端な今日この頃。
NSRはリードバルブ,CIVIC FERIO はヒュールデリバリー系のメンテナンス(プレッシャーレギュレーターと燃料フィルター交換)の予定です。

いや,CIVIC FERIO,加速時に息継ぎするもんで(--;
で,色々メンテナンスしてありますが,燃料周りはまだ手付かずだったので・・・


さて,ふと思い出したこんな質問。
『何でインジェクションって,MAPセンサーで燃料噴射量がわかるの?』

MAPセンサーとは『Manifold Absolute Pressure』,インテークマニュホールドの絶対圧力を測っているセンサーです。
よく,天気予報で『気圧は○○○hPa』なんて聞くかと思いますが,あれは大気の絶対圧力を言っています。

絶対圧力というのは,真空,完全に空気がない状態,まったく圧力がない状態を『0』として,今どれだけの圧力があるか?という圧力です。
『○○kPa-abs』といった具合に『abs』を付けて表記したりします。
通常,私たちは950~1050hPa,95kPa~105kPaの圧力の空気の中ですごしています。


え~っと,圧力・・・圧縮される力を感じることはないと思いますが,私たちが住むこの空間には既に圧力があるんですね。


タイヤなんかの空気圧は『ゲージ圧』という圧力で,『大気よりもどれだけ圧力が高いか?』という圧力です。
こちらは『○○○kPa-G』といった具合に『G』を付けます。

さて,MAPセンサーが計っているのが圧力なのはわかりました。
では,何で圧力なんかを測っているのか?という点です。

コレは圧力を測ると,間接的にどれだけの空気を吸ったかがわかる為です。

圧力は単位面積当たりにかかる力です。
では大気の圧力の力の元は?というと,空気の重さになります。
通常の空気であれば,地面1平方センチメートルあたりに約1kg分の空気が乗っかっています。

つまり,約100kPa・・・ね?1000hPaでしょ?
学校で習った『大気の圧力は1013hPa』って言うのとほぼ同じでしょ?

さて,普通の空気であればそれだけの量の空気があるのですが,これが500hPaだったらどうでしょう?
約1kgの空気が乗っかっていれば1000hPaです。
という事は,約0.5kgしかない・・・空気が少ないということになります。


コレを逆に言い換えれば,1000hPaの空気に対し,500hPaの空気は空気が半分しかないということになります。


・・・ね?なんか計れそうな気がしてきたでしょ?


これを説明している法則があり,『ボイルの法則』といいます。
ボイルの法則は『圧力と体積は反比例する』というものですが,コレをちょっと変形すると解けます。

さて,吸気した空気の量がわかる種明かしです。

エンジンはピストンの降下によってシリンダー内に空気を吸い込みます。
で,この時,シリンダーの容積は常に一定(一部のエンジンを除く)です。
たとえば,原付のエンジンであれば50ccです。
なので50ccの空気を吸うことになります。

しかし,マニュホールドの圧力が1000hPaだったら50ccの空気ですが,マニュホールドの圧力が500hPaだったら・・・
先ほどの説明のとおり,半分の空気しかない,つまり,半分しか吸えていないことになります。
本来の大気圧力の空気相当で25ccしか吸えていないことになります。


ね?間接的だけど,計れたでしょ?(・ω・


まぁ,だいぶ簡単に説明しましたが,エッセンス,要件としてはそういうことです。
本当は『体積』を交えてもうちょっとちゃんと説明しないといけないんですが,要点に絞るとこういうことになります。

なので,燃調コンピューターは圧力を元に噴射量を決定できるんですね。


さて,燃調コンピューターにはもう2つセンサーがあります。
吸気温度センサーと排気酸素濃度センサー(O2センサー)です。
これらは補正に使われます。

空気は温度が上がると膨張します。
でも空気の量自体は変わらず,伸びて薄くなるだけです。
こちらは『シャルルの法則』というものになります。
先ほどのボイルの法則とあわせて,『ボイル・シャルルの法則』なんていう風に呼びます。
高校の物理で習うかな?

で,ここで『薄くなる』が問題です。
薄い空気じゃ先ほどの説明のように,吸えた量が減ってしまいます。

なので,温度が高いときは空気の量が少ないので燃料噴射量を減らしています。


つまり,燃調コンピューターって『シリンダー容積×吸った空気の濃さ=吸った量』という風に吸った空気の量を計算してるんですね(・ω・


で,吸った空気の量がわかれば,燃調は空気と燃料の重さの比率ですから,燃調を12:1にしたければ吸った空気の重さの12分の1の燃料を吹けばいいわけです。
ただ,コレを毎回計算するのは,演算能力の低いマイクロコンピューターには大変なので,あらかじめ計算しておき,その答えの表である『燃調マップ』を持っています。
その表を見て,即座に答えが出せるようになっています。


では,排気酸素濃度センサーは?というと,こちらは燃料を吹いた結果,ちゃんと目的の燃調になっていたかを監視します。

物が燃える・・・燃えるというのは酸化反応です。
酸化反応というのは,物質と酸素がくっつく反応です。
このとき,熱や光を出す激しい反応だと『燃焼』,つまり『燃える』と呼びます。
ガソリンの場合だと,ガソリンは炭素と水素でできているので,酸素と結びつくと炭素は二酸化炭素(C+O2→CO2)に,水素は水(H2+O→H2O)になります。

さて,ここで酸素がたくさんあればガソリンと結びついても酸素は残ります。
逆に,燃料が多ければ酸素が足りず,酸素は残りません。

つまり,酸素の量で空気が多すぎたり燃料が多すぎたりしていないかがわかります。

なので,排気酸素濃度センサーは実際の燃調を知ることができます。
燃調コンピューターは実際に燃やしてみた燃調が目的の燃調だったか?を排気酸素濃度センサーで確認し,間違えが無いかを確認,ずれていれば燃料を吹く加減の修正を行います。


というわけで,この3つのセンサーで燃調を決定,補正し,正しい燃料と空気の混合比=燃調を制御できるわけです(・ω・


最近はエアフローセンサーをさらに追加し,空気を吸った量を直接測り,さらに精度を上げています。
ただ,理屈上はこの3つのセンサー・・・というより,MAPセンサーだけあれば噴射量は決定可能です。
ただ,コレでは精度が悪いので,今はMAPセンサー,吸気温度センサー,排気酸素濃度センサー,最近はエアフローセンサーを加え,4つの情報を元に噴射量を決定しています。


え?スロットル開度センサーが出てこない?
はい,こちらも燃調の制御にかかわっています。
ただ,このセンサーは『燃料の噴射量』というより,『燃調をいくつにするべきか?』を決定します。
急激にスロットルが開けば『急加速』,スロットルがたくさん開いているのに加速していな,加速が鈍ければ『負荷が大きい』と判断し,燃調を濃くします。
また,スロットル開度が増えていれば『加速』と判断し,これまた燃調を濃くします。
逆に,減っていれば『減速』と判断し,燃調を薄くしたり燃料カットを行います。

はい,今までのセンサーは『燃調を○○にしたいけど,どれだけガソリンを吹けばいいかな?』を計算する為のセンサーです。
ただ,『今の運転状況から燃調を○○にしよう』は判断できません。
そのため,スロットル開度センサーから『今の運転状況』を判断するようになっています。

このように,『運転状況』を検出するセンサーなので,なくてもエンジンは回ります。
SUZUKIの初期の頃のインジェクション車で,MTだとセンサーが『スイッチ』のものが在ります。
『アイドリング』と『アイドリングではない』の2つの状態しか見ていません。
スロットルを空ければインテークマニュホールドの圧力が上がるため,マニュホールド圧力を計っていればスロットルの操作に燃調を対応できます。
また,スロットルが開けばよりたくさんの空気が入る為,それに正しい燃調で燃料を吹けばシリンダーには多くの混合気が入り,パワーが出るのでちゃんと加速もしていきます。
なので,極論を言うとスロットル開度センサーはなくても一応エンジンは制御できます。


と,こんな風に,『圧力』を計るという考えは良く考えられた方法なんですね(・ω・


さて,運転状況を把握するという意味では,エンジン回転数もわからなければいけないので,TDCセンサーやクランク(カム)角度センサーも燃調にかかわるセンサーです。
一見,点火周期の決定に使うセンサーのようですが,回転数を知る為に燃調制御にも必要になります。
また,『どの気等のインジェクターを空けるか?』『実際にインジェクターをいつ空けるのか?』を判断しなければいけないので,上記に加え気等判別センサーと,クランクシャフトが0~720度のサイクルのどの位置にあるのか?がわからないと『燃料噴射』ができません。

水温センサーも燃調にかかわります。
水温が低い,つまりエンジンが冷えているときはガソリンが燃えにくく,始動性が悪くなったり,失火が起きやすいため,燃調を濃くします。
逆に,水温が高いとノッキングやオーバーヒートが起きてしまいますので,冷却や燃焼の調整のために燃調を濃くします。


さて,ここまでが基本的なセンサーです。
この先は,エンジンコンピューターに接続された他のセンサーを燃調制御にどう使っているかです。

ノッキングセンサーも燃調の為のセンサーといえば燃調の為です。
燃調が異常になるとノッキングを引き起こしますので,燃調の補正がかかります。
ただ,ノッキングは点火周期を進角しすぎても発生するので,燃調だけではなく進角の制御にも使っています。

D15B の 3stage VTEC エンジンであれば,EGRを行うのでEGRバルブリフトセンサーの情報も重要です。
EGRがかかると,排気を吸い込んだ分空気を吸い込む量が減ります。
そのため,今どれだけのEGRがかかっているかを知る必要が在ります。

エンジンコンピューターはキャブレターのように『燃調だけ』を制御しているわけではなく,エンジン全体を制御しているので,とにかくたくさんのセンサーがつながっています。
そして,それぞれの情報を元に燃調,点火周期・・・場合によってはトラクションまでを総合的に制御しています。

なにげな~く乗っている自動車ですが,こんな複雑なことになってるんですね(-w-;

逆に,エンジンのことがわかる人の場合は,インジェクションって敬遠されがちですが,わかってしまえば理屈は結構単純です。
マイコンが扱える人であれば,うっかり『作れるかも?』と思うかもしれません。
実際,エンジンコンピューターを自作している人はいます。


という訳で,今日はエンジンのブラックボックス,『エンジンコンピューター』の『燃調制御』でした(笑

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2013年9月28日 (土)

レギュラーの車にハイオク入れたら・・・って実際にやってみた

はい,仕事グダグダで最近日記サボってました。てか,寝ちゃってました(-w-;

さて,本日のお題。
先々週にレギュラーガソリンとハイオクガソリンの差につい講釈たれていましたが,実際どうなのよ?と。


と言うわけで試してみました(ぇ


今回の1匹目のまな板の上の鯉は豪華です。
なんと!


NSR250Rです!


いやね,配線いじって高出力マップに切り替えたのはいいんですが,たま~に進角きわどい感じがしていたので(--;
はい,『ハイオク入れるとどうなるか?』と言うより,『ハイオクで進角ごまかせるか?遅角っぽいことはできるのか?』の方が正確かもしれません・・・

で,まずは燃料補給時に1リットルだけハイオクを入れてみました。
16分の1だけハイオクですね。
『そんなの利くのかよ・・・』と言う感じですが,走ってみるとなんか様子が(苦笑

ただ,微妙な差だったので『プラシーボかな?』と思い,2リットルに増やしてみました。
すると,差が大きくなります。
どうも,プラシーボじゃないみたいです。

変化としては,振動が少なくなり滑らかにエンジンが回ります。
また,低速でのトルク感が増し,実際,発進もしやすいです。
高回転ではエンジンのカリカリした感じが減り,スムーズに回っていきます。

『それじゃぁ!』と4リットル,燃料の4分の1がハイオクの状態にしてみました。
と,コレだ入れると流石に高回転がちょっと重苦しい(苦笑
ただ,トルク感はある(-w-;
傾向として,燃調を濃くしたり,点火を遅らせたときの感じに近いです。


さて,この種明かしですが・・・まぁ,前回書いたとおりです。
『ハイオクは燃えるのが遅い燃料』と言うのがポイントです。

エンジンのシリンダー内では,プラグで点火すると混合気が燃え始め,プラグからピストンのほうへシリンダー内を炎が広がっていきます。いきなり全部が燃えるわけではありません。
身近にそれを見るなら,紙に火をつけてみてください。
いきなり全部は燃えず,徐々に燃え広がっていきますよね?
混合気も同じで,燃え広がるのには時間がかかります。
と言っても『ミリ秒』と言う一瞬の時間で燃え広がります。


てか,19,000rpmで回っているエンジンのクランクシャフトが1回転する時間は3ミリ秒,0.003秒なので(-w-;


まぁ,非常に短い時間ではあるのですが,プラグで点火して発生した炎がピストンに到達するのには時間がかかります。
このため,シリンダー内の混合気は『徐々に』膨張してゆき,最終的にピストンを押すことになります。

さて,ここで燃料の燃える速度が遅かったらどうなるでしょう?
ピストンを押すまでにかかる時間が遅くなりますよね?
コレは点火するタイミングを遅くするのと同じことです。
火をつけるのが遅ければ,炎が到達するのは当然遅れます。

つまり,遅角したのと同等の事がおきるんですね。

さて,遅角したような状態になることはわかりました。
ではトルク感や振動の減少はどうでしょう?
コレも,結局『燃えるのが遅い』のがポイントです。

例として,同じ紙でも丸めて火をつけるのと,平らなまま火をつけるのでは,どちらが暖かく感じるかです。
平らなままだとすぐに火は燃え広がり,すぐに暖かさは感じられなくなります。
反面,丸めて火をつけると燃えるのに時間がかかり,暖かさを長く感じることができます。

この,『感じ方』がポイントです。

長く燃えていると,長い間暖かさを感じます。
コレをエンジンに当てはめれば,膨張が長く続くことになります。
つまり,ピストンを長い間押すことになります。
このため,一瞬だけドンッ!と押してあとは惰性で回っていたのが,押されている時間が長くなり,トルク変動が減ります。
その為,滑らかに回っているように感じます。
また,力が抜けている時間が少なくなるため,トルクを感じ,また力の切れ間が減るため当然発進もしやすくなります。

が,もうひとつ考えなければいけない事があり,感じ方は違えど燃えている物はは変わらないと言う点です(苦笑

先ほどの例であれば,『同じ紙』なので,発生する熱量は変わりません。
ガソリンのほうはと言うと,厳密にはハイオクの方が若干熱量は多いのですが,その差はわずかです。
では何が変わるかと言うと,『熱の利用効率』が変わります。
一瞬で終わってしまうとピストンを一瞬しか押せませんが,徐々に燃えればピストンを押し続けられます。
発生した熱から力を取り出せる時間が増え,結果的により多くの力を取り出せます。


と言うのが,今回感じた変化の種明かしです(・ω・


さて,これじゃぁなんだかハイオクを入れたほうがよさそうですよね?
でもそうは行きません・・・


と言うのが2匹目のまな板の上の鯉の登場です(笑


お次は CIVIC FERIO Vi でも試してみました。
こちらは最初から4分の1程度をハイオクにして見ました。
が,こちらの変化はNSR以上でした・・・



とにかくエンジンが吹けあがりが悪い!笑っちゃうぐらいかったるい!(苦笑



いや,マジで(-w-;

こちらも傾向はNSRと同じです。
やはりトルク感はあるんです。
実際,坂を上るときもいつもなら失速する場面で失速しません。
『トルク感』と言うより,高負荷時は実際にトルクがあります。

が,とにかく回転数の上がりが鈍い。
高回転にいたっては顕著で,とにかく重苦しい。
『おい,コレほんとにHONDAの車か?』って思ってしまうぐらいです。

さて,コレだとなんかよろしくない感じですね?
『でも待てよ?』と思い,試してみたらドンピシャ。


ECONOランプ(希薄燃焼時につくランプ)が消えにくくなってるwwww


トルクが増した分,スロットルをそんなに空けなくてもゆっくりとですが加速していきます。
その為,ECU的には『スロットル開度が低い』『ゆっくりと加速している』→『そんなにパワーを必要としていない』となり,さらには『回転が安定している』→『燃焼が安定している』→『もっと燃料を薄くしても平気』となったようです(苦笑

こんな調子なので,街乗りのような加速度が要求されない条件では,むしろいいことなのかも?
『コレはひょっとして・・・』と燃費を気にしてみることにしました。
今までと同じ条件になるように・・・と言っても,気温が下がったためエアコンのコンプレッサーが動く時間が減ってしまっており単純計算では・・・

なんて気にする必要ありませんでした。


殆ど変わりませんでした(爆


まぁ,ねぇ・・・
うちFERIOのエンジンってば・・・

Img_3363

エンジンオーバーホール済みだしね。



自前でな(--;



まぁ,そういう意味では正確な値かもしれないね・・・
結局,加速時に踏んでしまうようです。
まぁ,発生する熱量変わらんからね・・・
ふけ上がりがトルクになっただけ,そんな気分です。
気分的な表現ではね。



さて,今度はこの種明かしです。
コレまた『ハイオクは燃えるのが遅い』です。

先ほど『炎が燃え広がるのには時間がかかる』『ハイオクは遅い』と書きましたが,コレがポイントです。
熱のある部分は膨張していますが,熱のない部分は膨張していません。
膨張していない部分はピストンを押す力,『圧力』がかかっていません。
その為,ピストンにちゃんと炎が到達していないとピストンをちゃんと押せないことになります。


そんだけ(・ω・


別に,『熱がないから圧力がぜんぜんない』わけではありません。
しかし,シリンダーの中身は気体なので,ギュッ!と押されると圧縮されちゃうんですね。
なので,力が逃げちゃいます。
圧縮されれば圧力が発生しますので,結果的には押しているのですが,ブヨブヨした物を押しているようなもので,力がちゃんと伝わらず中途半端にしか力がかからないんですね。


言い換えれば,炎が燃え広がるのが遅く,炎がピストンに追いついていないんですね。


で,コレは高回転になればなるほどピストンの速度は速くなり,どんどん追いつかなくなっていくんですね。
なので,高回転でのフィーリングが悪化するんですね。

では登坂時のトルクは?と言うと,コレは負荷が重いため失速し,ピストンの速度がすぐに遅くなるからです。
その為,炎がピストンに追いつくんですね(-w-;
結果,高負荷時は具合がよかったようです。


さて,私の CIVIC FERIO Vi はレギュラー仕様ですので炎が追いつきませんが,上位グレードのB16Aを搭載するSiは炎が追いつくように点火するタイミングが早くなっています。
NSRの所で書いてきたことの逆をやってるんですね。
そこで先ほど書いたとおり,ハイオクは効率よく熱を力に変えられるので,ハイオクの恩恵にあやかれるようになっています。


つまり,結果としては前回書いたとおりと言うことです(苦笑


まぁ,やってみて一番感じたのは,完全にハイオクにせずともこんなに差が出たしまうものなんだな,と言うのが印象的でした。
FERIOに関しては,ホント,笑いが止まりませんでした(苦笑
『ちょwwwwえぇええええぇwwww』『うわ,吹けあがらねぇwwww』と大爆笑(-w-;

やはり,設計に基づき指定されているものなので,NSRのように『理由』がない限りは,燃料はむやみやたらと変えないほうがよいようです(苦笑

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2013年6月30日 (日)

キリンとブラフマン,D-LIVE・・・マシン,機械,人生観,世界観

よく,『バイク乗りのバイブル』といわれる,東本昌平氏の漫画『キリン』。
つまみ食い的に読んだ事はあるのですが,『バイク乗りのバイブル』というのがどうも今一ピンとこない。
まぁ,私もバイクのりですが,何かしっくりこないというのが本音です。
『こっち側』と『向こう側』で言うのなら,私は『向こう側』,つまり自動車のほうが先です。
そのせいなのか?とも思ったのですが,どうも違うような?

なんだか気になり,先日,よくよく読んでみようかと1冊買ってみることにしました。
で,これがまたよくよく確認せず買ったもんで『The Happy Ridder Speedway』の方だったり(苦笑


でもコレ,正解だったかもしれません。


多分,キリンって『バイク乗り”だけ”の漫画』ではないのかな?と。


バイクを題材に,もっといろんなことを書いてるのかな?と思ったのが本音です。
なんだか,そう思わせるシーンが多かったです。

というか,冒頭に書かれているこんな文章・・・


その町で生まれ,
その町で育ち,
抑圧されているとも
感じない者たち。

だが,ある者が気づき,
また,ある者が気づく。
”自由”が奪われていることに。

町に迷い込んだ男は思う。
自分もまた,この町から
出なくてはならないと・・・。

”自由”を求め,疾走せよ。


内容もそんな感じです。
こういった感覚って,バイクに限らず,感じる人は結構いるんじゃないでしょうか?
単純に,思春期には一度位は感じるかと思います。
バイクというもの自体,思春期の象徴的な側面もあります。

私は主に『機械』にかかわりますが,法律,保安基準,JIS・・・といろんな縛りを受けます。
何かをしようとすれば,国,保安協会,試験場・・・色々な『試験』『審査』を受けます。
そして,それをクリアするには『個人なんかが到底できるわけがない』『事実上不可能』『実態として禁止もいいところ』といった内容になります。
たとえば,『ロケットを自分で作って宇宙に行きたい』なんて,『日本の法律・基準』ごときのスケールではすまなくなります。


結局,『何かを求め,何かをする』,そういう人たちの姿,生き様,人生観を描いているように感じます。


つまり,『バイク乗りのバイブル』ではなく,『追い求める者のバイブル』なのではないでしょうか?
キリンという漫画に私はそう感じました。
違った意味で興味があり,また,好きな作品です。



さて,『バイク』というものがかかわる漫画に,貴島煉瓦氏の『ブラフマン』という漫画があります。
どちらかといえば,私はこちらの方が分かりやすいです。

こちらは『バイク』は一つの要素です。
本題は『ブラフマンシステム』という架空のシステムと,それを機軸に複雑に展開されるストーリーです。

で,こちらにおいて『バイク』は,バイクという『機械』に感じる不思議な感覚が取り上げられています。
キリンとは大違いですが,コレはバイクに乗ったことがある・・・というより,『詰めた走り』,たとえばサーキットを走ったり,モトクロス競技をやった事がある人が感じる感覚ではないでしょうか?
本来,バイクは単なる機械で,意識も感情も,思念も無いはずです。
しかし,不思議とそれを感じることがあります。

作品中でも,登場人物が載るYZF-R1を題材にそういう表現があります。
話の中で破損し乗り換えることになったYZF-R1,それに対しシックスセンスや超能力的要素をもつ登場人物が『機械とは思えない強い思念を感じた』『新しいバイクにも,弱いが感じる』というシーンがあります。


これは,バイクに限らず,『機械』という物にかかわる人なら一度は感じるのではないでしょうか?


似たような作品として,皆川亮二氏の『D-LIVE!!』があります。
お決まりのせりふは『お前に生命(いのち)を吹き込んでやる!!』『お前に魂があるのなら…応えろ!!』です。
その後,機械が『答えた』と思しきシーンがあります。
作品中にはバイクや自動車に限らず,船,飛行機,建機,電車も出てきます。

まぁ,いずれも人間の勘違いなんでしょう。
たまたまおきた事を,人間がそう思っているんでしょう。
でも,こう思うことがあります。


『10年使われたものには神様が宿る』という言い伝えがあるけれど,アレはちょっと違う。

物・・・特に『動く』機械・マシンには作った人,設計した人の思いや思念の欠片が宿っている。

その思いを受けとったマシンは,10年の時間をかけ育ち,そのものとして,自身の思念,意思が宿る。

ピノキオが操り人形から自立した人形に,そして人になったように。


まぁ,コレも機械弄りすぎた人間の戯言でしょう。
しかし,興味深い話があります。


人間の脳神経活動の一つに,使い慣れた道具や機械を,体の一部のように感じる現象があるそうです。

あたかも,ソコに神経があり,感覚があるように錯覚するそうです。


多分,実際に『感じている』のは手や足,実際の体で,その感覚が研ぎ澄まされているため,微妙な変化をしっかりと感じているだけのことなんでしょう。
それを『道具の先』ではなく,『自分の感覚』と錯覚しているんでしょう。

この辺が,これらの現象の答えかもしれません。

まぁ,勘違いだったとしても,そう勘違いさせる機械・マシンというのは不思議です。
時に,人間の世界観や人生観すらにも影響を与えます。

魔性の存在,『機械』・・・やはり魅力的です。

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2013年1月30日 (水)

真空管と2ストロークエンジン

ココ最近,真空管の話が多かった感じですが,ふと考えたことが。
2stと真空管,何れも愛好家から好かれるのですが,時代に合わず風前の灯になってしまっているデバイスです。
確かに,何れも今時の要求性能に対してはあまり芳しくありません。

真空管であれば,ヒーターの電力を食うためトランジスタに比べれば無駄な消費電力が大きいです。
また,ヒーターは電球のフィラメント同様,いずれは切れてしまうので有寿命の部品です。
低消費電力化が騒がれ,壊れないのが当たり前,壊れたら修理せず買い換えるのが普通の時代にはそぐわないデバイスです。

これらに関しては2stも同じです。
リードバルブはだんだんヘタってしまいますし,潤滑も4stに比べると不十分でシリンダーの焼きつきを起こしやすく,潤滑が不十分ですから損耗も早いです。
また,4stと異なり,吸気と排気が同時に行われる『掃気』であり,混合気が排気に飛んでいってしまい燃費もよくありません。
また,混合気,つまり生ガスが出てしまいますので排気中のHC分が多く,環境に良くないエンジンです。
まぁ,この辺はチャンバーや排気デバイスで改善されていますが,オイルが混合気と共に燃えてしまうため,どうしてもHC分は多いです。

しかし,何れも特徴があり,他のデバイスの性能がまだ良くなかった頃は多く使われたデバイスです。
なので,冷静に考えたとき,『性能が悪い,時代錯誤のデバイス』とまでレッテルを貼るのは何か変な気がします。


単に時代と技術が移り変わったに過ぎません。


むしろ,今となっては非常に特徴的なデバイスとなっています。


真空管にいたっては,鉄とガラスでできています。
半導体の原料であるシリコンも,ドーパンドである硫黄や窒素,砒素もありません。
動作は『電子・電気の性質』という単純な古典力学だけが使われ,非常にシンプルです。
半導体は,PN接合ダイオードであれば古典力学なのですが,それを成立させるために化学と量子力学の塊になっており,仕組み上,構造・動作を見たくても見ることすらできません。
ショットキーバリアダイオードにいたっては量子力学的要素が大きいです。

2stも面白い構造をしています。
単純に考えれば,混合気を容器に入れて,圧縮して,点火して爆発・膨張させてピストンを押し,燃えカスは排気する・・・と考えてしまいます。
しかし,2stは『混合気で排気を押し出し混合気に入れ替えたら,1回で2つの工程を同時に行えるじゃん!』という,ちょっとひねった工夫がされています。
実際,4stのほうが機関としては考案されたのが古く,2stのほうが考案されたのは後です。

もし,廃れなかったら・・・

『集積真空管』なんて物もあったかもしれません。
複合管という,複数の機能をひとつにまとめた真空管が実際にあるのですが,その発展として差動増幅回路の結線を済ませた状態でガラス管に封入した『差動増幅管』なんてものが作られたかもしれません。
いや,確か似たものがあった気がします・・・

ソレノイドでバルブを駆動するバルブトロニックをヒントとして,『電子タイミング制御2stエンジン』なんてものもあったかも?
EGRをヒントに掃気工程で流れてしまう混合気を吸気に戻すとか・・・

まぁ,真空管はともかくとしても・・・


正直,2stにいたっては見切りが早すぎただけのような気もします。


さて,そんな不運半分のような気もするデバイスたちですが,一部の愛好家によって今も使われ続けています。
では,私はそういった愛好家かといえば・・・


そうでもありません。


私の場合は,完全に廃れてなくなる前に『どういうデバイスなのか?』を知っておきたいというのが8割です。
愛好家的感覚は2割程度に過ぎません。
装置として知りたい,自分の手で弄ってみたい,自分の感覚で経験したいというのが本音です。
経験してみた結果としては・・・


うん,知っておいて良かった (・ω・


半導体や4stにはない良さを,幾つか『感じ』ました。
また,先ほども書いたとおり,見慣れた『今時』のデバイスと異なり,特徴的で新鮮でした。
最も,やはり劣る点もあり,廃れた理由も感じましたが(苦笑

一般論だけを聞いていると,どうしても考えが偏りがちになります。
時代の話を原理原則におくと,どうしても流されやすくなります。



なんだかやたらとめまぐるしい時代,いちど一呼吸おいて『なぜなのか?』を『自分』で『感じ』て見るのも,悪くないのではないでしょうか?

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2013年1月18日 (金)

787

何だか,最近話題のこの3桁の数字。
まぁ,ご存知の通り,飛行機ですね。
今日,新聞の1面に大々的に書かれていました。

内容としては,アメリカの連邦航空局がボーイング787の一時運行停止を命じたとの事です。
その理由は『バッテリーからの出火の可能性があるため』,だそうです。
で,よくよく読んでみると・・・


リチウムイオンバッテリーを使用しているようです。


こんな所でこの名前聞くとはね・・・
よくよく考えてみれば,小型軽量,飛行機に『もってこい』ではあります。

まぁ,本当にバッテリーが悪いのか?それともその先の回路が悪いのか?
兎に角デリケートなバッテリーですので,使い方次第では発火に至るバッテリーです。
反面,一時国外で製造したバッテリーに品質上のトラブルがあった時期もあります。
また,急速に性能が向上した時期は,充電制御回路の設計の不備(不良というより,知らなかった)でトラブルとなったケースもあります。


また,開発がちょうどその時期とかぶっていた機体でもあります。


何かが見過ごされたような気がします。
まぁ、バッテリーと共に焼け焦げたケーブルを見ると,ソッチもソッチで,なんかあまりセンスがよさそうには見えませんでしたが(--;



さて,話ががらりと変わりますが,ロシアにこんな考え方があります。
私の好きな考え方です。

ロシア人の『良い物』に対する考え方なのですが,ちょっと最近の発想とは異なるかもしれません。
ロシアの人が言うには,いいものというのは・・・

『長く使われたものは良い物』

・・・なんだそうです。
ロシアが40年も昔に設計されたはずの『ソユーズ』を相変わらず使用しているのはその為です。
決してソユーズの開発も順風満帆ではありませんでしたが,今となっては,よい点を生かし熟成された設計になっています。

でも,よくよく考えてみれば,それは正解なはずです。

『良くない物』であったら皆使うのをやめ,長くは使われないはずです。
『良い物』であれば皆長く使うはずですし,壊れたらまた同じものを買うでしょう。
そして,もし壊れる場所が同じであれば,そこを改善し,『より良い物』に作り変えるでしょう。
『良い物』の性質を受け継ぎ,『その中のよくない点』を改善,『より良い物』になっていくでしょう。

考えれてみれば簡単な話です。


変化の早い時代,むしろ変化『する事事態』が『良し』という時代,何だか大事な事を忘れているような気がします。

いえ,変化は必要ではあるんです。
いつまでも既存の考えばかりを『崇め』ても,『既存+α』止まりで革新的な考えが出てきません。

しかし,『変化』は『進歩』の為の『過程・手段』です。
『変化』は目的ではありません。
あくまで目的は『進歩』です。

この辺はどっちがよいということは無いでしょう。
最後は単純に,『バランス』の問題です。



バランスは,一体いつになったら取れるんでしょうね?

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