科学

2014年4月15日 (火)

CBR250RR冷却系 整備鋭意(?)進行中

さ~て,失業保険をもらうのに干されて2ヵ月半,だんだん兵糧が苦しい今日このごろです(-w-;
なんかする事無いかと,昔蓄えてあった部品でCBR250RRの整備中です。


つかね,ぼちぼち仕事したくなってきたのか?よく分かりませんが風呂掃除とかフライパンの焦げ落としとかもしてます(--;


さて,ここ数日は冷却系の整備。
色々やってますが,主にラジエター。
今日はラジエター関係の事でも。


さて,今まで使っていたラジエターはCBRを購入した当時からのラジエターですが,結構塗装がはがれています。
また,購入から1年後に冷却水を交換した際,『醤油か!』見たいな色(笑)の冷却水が入っていたこともあり,取り外して清掃と塗装をすることにしました。

取り外して洗浄して見ると,思っていたよりは綺麗でした。
と言うか,冷却水の交換の時に結構しつこく洗っていたので。
と言っても,汚いのには変わりませんけどね。

洗ったときの排水はと言うとこんな調子・・・

Sn3v0547

外側の汚れの分もあるのでかなりな感じですが,内部に詰まりもなく,ラジエター内に水をためては流しを数回やったら流れ出る水は綺麗になりました。

後は外をきれいにして,塗装して復旧・・・
と,思ったのですが・・・

Sn3v0550

『なんか膨らんでる部分が割れてる』とほじくったらえらい事に(-w-;

Sn3v0555

えぇ,どんどん広がるし,そこらじゅうがこんな状態。
しまいには,大きな面積で肉厚が半分以下になってしまった場所も・・・

え~っと・・・


作戦変更!予備と交換!(-w-、


と言うわけで,昔安く出ていて手に入れておいたラジエターと交換する事にしました。
とは言うものの・・・

Img_5463

こっちも結構キテる感じです(´・ω・`


古いアルミの部品って,コレが嫌なんですよね(・_・`ゞ

当たり前のように身の回りにあるアルミ製品ですが,精錬や鋳造が結構難しい材料です。
低い温度で解けるので,素人でも鋳造できそうですが,確実に巣が入ります。
見た目が綺麗でも,目に見えない空洞や巣が無数に出来てしまいます。

そのせいなのか?古いアルミ製品って,こういう風に内部の見えない部分で腐食している物を結構見かけます(--;
今はアルミの精錬や鋳造の技術がよくなっていますが,同時にこのような物を見かけなくなってきています。
この辺が関係しているような気もします。

あ,ついでに書いておくと,アルミは溶接も難しいです。
どれぐらい難しいかと言うと,溶接で食って行ってる人がやっても『難しい』と言う言葉がでるレベルです。
あたかも簡単かのように書く人もいますが,その人がやった溶接を見れば,その人がそもそも溶接が上手なんだと言う事が分かると思います。

因みに,以前アルミ硬ロウでロウ付けをやって見た事がありますが,やはり難しいです。
で,その後こっそり溶接を試して見ましたが・・・まぁ・・・難しいです。
鉄は赤くなるんで分かりやすいのですが,アルミはいきなり解けるし,解け始まると結構一気にトロトロになると言うか・・・

はい,アルミの話おしまい。脱線終了。


さて,腐食があるといっても予備の方が桁違いにマシです。
まだ手遅れにはなっていないと判断し,しっかり手入れして交換する事にしました(・_・`ゞ

まずは,この腐食を何とかします。

Img_5462

・・・が,始めるとこんな感じで結構点在してます。

Img_5464

まぁ,コレでももと使っていたラジエターよりはホント桁違いにいいです。

で,削った部分はメタルパテで埋めました。
メタルパテと言っても所詮はパテです。
気休めではありますが,とりあえず埋めておきました。
え?デブコン?んな高価な物,我が家にはありません!


因みに,一瞬ロウ付けで当て板補修しようか思ったのですが,冷静に考えたら『コレ放熱器ジャン』と。カセットガスのトーチごときで温度上がるわけないので,やめました(--;


因みに,七輪や電熱コンロで予熱すると言う方法があるそうですが,あいにく我が家にはどちらもありません。
肉厚も半分以上残っていたし,最も断面積が減る場所でも7割は残っています。
どうせかかっても1.2kgf/cm2程度,左右にラジエターを引き離そうとする力も大してかかりませんので,今回は無理はせずに,埋めるだけにしました。


で,この際なので,ラジエター内部を酸洗(化学洗浄)することにしました。
と言うのがこちら・・・

Img_5467

100均にお掃除用品としてクエン酸が売られていました。すばらしい(・ω・♪


クエン酸は金属・ミネラルの除去,特にアルミにピッタリの物質です。
金属やミネラル,特にカルシウムやアルミは酸に溶けやすく,酸の中でもクエン酸はキレート剤として機能するので,固まってしまったミネラル類の除去に向いています。

よく『ポットの洗浄剤』といった物が売られていますが,中身はクエン酸やクエン酸塩です。
ポットの中にたまる白っぽいかたまり,あれは主に炭酸カルシウム(石灰)が固まったものです。


因みに,よく耳にする『キレート剤』と言う物,大雑把に言えば金属イオンやミネラルを補足する物質の事です。
金属やミネラルが水に溶け出すとイオンになりますが,このイオンとくっ付く性質がある物質の事です。
もうちょっと化学的な定義がありますが,『使う』と言う観点から簡単に言えば,そういったものになります。

キレート剤はイオンを嫌う半導体(不純物が入るとその段階でN型かP型の半導体になってしまうので)の工場では大切な物質です。
今回の場合だと,水垢やアルミのさびが溶けてイオンになった後,それをキレートしてくれるので,洗浄後のラジエター内に残ってまた付着するのを防いでくれます。


さて,やった事。

このような洗浄では2wt%(注意:質量濃度です)の溶液を使うとのことですので,クエン酸10gと精製水(バッテリーの『補充』液で代用)を490gを混ぜてラジエターに投入。
体積としては約500mLになりましたが,CBR250RRのラジエターではラジエターを立ててちょうどラジエターキャップのあたりまで入りました。

で,若干の空間を生かし,ひっくり返して対流させ汚れをおとしていきます。
今回は15分ぐらい洗って見ました。

その後,クエン酸水溶液を抜き,中をよく水洗します。
ホントの酸洗ならアルカリの液で中和しますが,アルミは金属でもちょっと変わった金属で,アルカリにも溶けてしまいます。
なので,アルカリが残ったら結局同じ・・・なのでよく水洗してお終いにしてしまいました(苦笑
気になるので,結構しつこく水洗しましたけどね(-w-;

で,結果はと言うと・・・

Img_5472

わぁお♪かなり綺麗になりました(・ω・♪

で,排出したクエン酸水溶液はと言うと・・・

Img_5468

黄色いし!(-w-;

何がくっ付いていたのやら(苦笑

今回は半分実験でしたが,結構うまくいきました。
100均で売っているもので気楽に出来るので,今後活用したいと思います(・ω・♪


あ,ココで余談。

酸洗は酸なら何でもいいというわけではありません。
通常,酸洗は鉄であればリン酸を使います。
避けたいものとしては,特に・・・

塩酸は避けてください。ステンレスやアルミには特にマズイです(-ω-;

塩酸に含まれる塩素(と言うかハロゲン類)は非常に反応性が強く,ステンレスの不動体膜すら破壊します。
他の物質と強引なまでの結びつこうとする性質があり,金属を溶かす作用が強く,金属を腐食させます。
また,中和したからと言って塩素はなくなりません。
なくなるのは『塩化水素』の水素のほう(OH- + H+ → H2O)で,塩素は残ってしまいます。
学校の化学の実験ででてきた『NaOH + HCl → NaCl + H2O』ってやつですね。

塩酸のほうが錆びがよく落ちるのでしつこい錆びには有効ですが,鉄もよく解け,残ると腐食を起こします。
なので,塩酸を使った場合はしつこいぐらい水洗してください。

はい,注意事項お終い。


で,ラジエターはと言うと,はがれかけの塗装を落とし,よく乾かし塗装。

Img_5496

うむ,いい感じに(・ω・♪

道中長かったですが,とりあえず仕上がりました。
やっと復旧できそうです(-w-;


さて,最後っ屁に。
先ほどの廃液,クエン酸なので酸性です。
せめて中和してからと・・・

Img_5469

これまた100均でお掃除用品としていられていた,炭酸ナトリウムで中和しました。
まぁ,中和の話はいいんだ・・・
何がステキってね・・・

Img_5471

炭酸ナトリウム入れた途端に面白いぐらいにジュワ~っと泡がwww

Img_5470

もはや炭酸飲料www


炭酸ナトリウムに酸を加えると炭酸ガスが出るんですが,こんなに目に見えて反応するとは・・・予想外でした(-w-;
因みに,クエン酸なので,成分的にはレモンスカッシュです。
まぁ,廃液はアルミが解けているので飲めませんが(苦笑


以上,本日の『おうちで簡単!化学レシピ』でした(チガウダロ

※本当にこんな感じでレモンスカッシュを作る時は『炭酸水素ナトリウム(重曹)』を使ってください。

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2014年3月30日 (日)

勉強する順番?

今日は雨ですね。
まぁ,ゆえに外の作業はできず,なんか雨の日はマッタリしてしまうので色々調べごとでも。

と言うか,のんびりしてたら家の庭をウサギが走っていきました。
『え!?ウサギ!?(OwO;』的なwww


茨城は野生の王国です(-w-;


今日読んでたのは熱伝導や熱交換についてだったのですが,その中で『熱浸透度』と言うものが。
異なる物質の界面での熱の伝わりやすさ,染み込み易さを考える上での値だそうです。
この数値が同じだと熱が効率よく伝わる,つまり放熱の効率がいいことになりますね。
で,これが電気のインピーダンスマッチングに例えられていました。


さて,ココで電気のインピーダンスマッチングが出てきましたが,これもなんだか面倒な話。
と言うか,『効率がよくなる』はオームの法則を解いていればすぐに分かると思います。
ただ,最初は『反射する』が訳が分からないと思うんです。

これね,そもそもなんで電波って飛ぶのよって話が分かってないと意味が分かりません。

というか,もっと言うと,導体の中を電子は自由に飛びまわれる,流れなくても導体の中で拡散するっていうイメージが無いと,意味が分からないと思います。

電波は電流が流れることによって磁界が生じます。
・・・云々・・・省略します(笑
でもココで一つこんがらがりませんか?

『電流が流れると』磁界が生じるんですよね?(苦笑

アンテナの構造を考えると,アンテナって両端が開放のものがたくさんあります。
え?開放じゃ電気ながれねぇジャン?って。


いえ,流れるんです。一瞬(ナノ秒)ですが。


と言うのが,さっきの導体の中に電子が拡散するって言う話です。
電源に導体をつなぐと,電子は導体の先まで拡散していきます。
拡散っていう表現がいいのかなぁ・・・

電子って,フワフワ・フラフラしてて光の速度で導体の中を飛び回ってます。
で,導体の中は自由に飛べるんですが,絶縁体の中には入れません。

なので,『行ける所』があるとフラフラ・フワフワと迷い込んじゃうんですね。

で,この瞬間は電子がそこへ流れ込んでいく(飛んでいく)ので,この瞬間は電子が流れていきます。

で,電源が交流だったらどうでしょう?
電子が一旦導体の中へ飛んでいきますが,しばらくすると交流なので電圧が逆になります。
なので・・・


導体から電子がバックし来ます(・ω・


電子が行ったり来たり,なんか電波飛びそうですね。


で,後は効率よく飛ぶように,アンテナの長さを波長にあわせて調整してあげればいいんですね。
そうすると電波は飛んでいきます。

で,この波長の話も大事です。
これが分からないと『折り返しダイポールアンテナって短絡のような・・・』となってしまいます。
いえ,当然のことながら直流かけたら短絡します。

長さがちょうど良いので反対側から来た信号とぶつかるときに,同じ電位になるんですね(・ω・

あ,因みにインピーダンスが不整合で反射する理由を簡単に言うと,『流れ具合』が異なるからです。
たくさん流れてきたのに,その先で通路が狭まったらそこで詰まっちゃいますね。
行き場を失い,戻ってくるのが反射です。
ナノ秒の世界で,目には見えない電気の世界なのでイメージわきにくいかもしれませんが・・・
これは,2ストロークエンジンの排気に装着されるチャンバーも同じです。
圧力波と言う見方から,コーンの形状が色々工夫されてますけどね。

考え方によっては,2stのチャンバーってわざとインピーダンスマッチングを崩して反射させているようにも見えます。
そう考えれば,流速が変動するし,周期も変動するので回転数によってチャンバーが効いたり効かなかったりするのも納得,波長が変動するわけですから。

と言うか,チャンバーを見たとき,伝播速度やらから計算しようとした時,波長が頭をよぎった人がココに (;-w-)ノ


はてさて,今回のタイトルなのですが,こう考えると似た現象がたくさんあり,基本的な挙動が同じように見えます。
温度は高いほうから低いほうへ移動する・・・これは電気も水,『流れ・移動』のあるものはすべて同じです。
(見かけ上逆転することもありますが,その場合はなんか仕掛けがあります)

というか,それもそのはず。
根底をなす物理学の法則は変わらないからです。
なので,先に根底をなす『約束事』をしっかりと勉強してからでないと,どこかでつまづいてしまいます。

しかし,この事を考えたとき,学校教育ってそうなってるでしょうか?
『高いところから低いところへ』なんて,5秒ぐらいの時間で先生が口で言っておしまいでは無いでしょうか?
そこをしっかり覚えるような事をしていないように感じます。

まぁ,勉強していくうちにいずれは気が付くことですが,なんか表面を進めているだけのような・・・
最も,限られた時間内に教えることを教えなければいけないし,小中学校は概要を勉強するのが目的と聞いた事があるので,そう考えればこれが妥当なのでしょうけれど・・・


私自身,仕事で流体力学的な要素にかかわるようになってから,電気への理解が深まった経験があります。
また,化学から量子力学に興味を持つようになってからは,更に電気への理解が深まりました。
何で?と言われれば,電子と言う粒子の性質・挙動が頭の中に入ったからです。

化学,数学,工学は,理論とつながり,つまり『理論のネットワーク』になっています。
パズルの解き方,ネットワークの流れの読み方を自分の中に積み重ねていかないと,膨大な理論のネットワークの中で迷子になってしまいます。
ここ数年,後輩に技術を教えるようになってから,『自分はどうやって覚えたっけ?』と思い出すことがあり,そのときに『順番逆じゃね?』と思う事が多くなりました。

これは私だけでしょうか?それとも・・・




そんな事を,ウサギが走り回る(笑)庭を眺めながら考える今日このごろです。

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2013年12月26日 (木)

インジェクションとMAPセンサー

さて,年末に向けリードバルブ買ったりガスケット買ったり・・・休日をバイクや車を弄って過ごす準備万端な今日この頃。
NSRはリードバルブ,CIVIC FERIO はヒュールデリバリー系のメンテナンス(プレッシャーレギュレーターと燃料フィルター交換)の予定です。

いや,CIVIC FERIO,加速時に息継ぎするもんで(--;
で,色々メンテナンスしてありますが,燃料周りはまだ手付かずだったので・・・


さて,ふと思い出したこんな質問。
『何でインジェクションって,MAPセンサーで燃料噴射量がわかるの?』

MAPセンサーとは『Manifold Absolute Pressure』,インテークマニュホールドの絶対圧力を測っているセンサーです。
よく,天気予報で『気圧は○○○hPa』なんて聞くかと思いますが,あれは大気の絶対圧力を言っています。

絶対圧力というのは,真空,完全に空気がない状態,まったく圧力がない状態を『0』として,今どれだけの圧力があるか?という圧力です。
『○○kPa-abs』といった具合に『abs』を付けて表記したりします。
通常,私たちは950~1050hPa,95kPa~105kPaの圧力の空気の中ですごしています。


え~っと,圧力・・・圧縮される力を感じることはないと思いますが,私たちが住むこの空間には既に圧力があるんですね。


タイヤなんかの空気圧は『ゲージ圧』という圧力で,『大気よりもどれだけ圧力が高いか?』という圧力です。
こちらは『○○○kPa-G』といった具合に『G』を付けます。

さて,MAPセンサーが計っているのが圧力なのはわかりました。
では,何で圧力なんかを測っているのか?という点です。

コレは圧力を測ると,間接的にどれだけの空気を吸ったかがわかる為です。

圧力は単位面積当たりにかかる力です。
では大気の圧力の力の元は?というと,空気の重さになります。
通常の空気であれば,地面1平方センチメートルあたりに約1kg分の空気が乗っかっています。

つまり,約100kPa・・・ね?1000hPaでしょ?
学校で習った『大気の圧力は1013hPa』って言うのとほぼ同じでしょ?

さて,普通の空気であればそれだけの量の空気があるのですが,これが500hPaだったらどうでしょう?
約1kgの空気が乗っかっていれば1000hPaです。
という事は,約0.5kgしかない・・・空気が少ないということになります。


コレを逆に言い換えれば,1000hPaの空気に対し,500hPaの空気は空気が半分しかないということになります。


・・・ね?なんか計れそうな気がしてきたでしょ?


これを説明している法則があり,『ボイルの法則』といいます。
ボイルの法則は『圧力と体積は反比例する』というものですが,コレをちょっと変形すると解けます。

さて,吸気した空気の量がわかる種明かしです。

エンジンはピストンの降下によってシリンダー内に空気を吸い込みます。
で,この時,シリンダーの容積は常に一定(一部のエンジンを除く)です。
たとえば,原付のエンジンであれば50ccです。
なので50ccの空気を吸うことになります。

しかし,マニュホールドの圧力が1000hPaだったら50ccの空気ですが,マニュホールドの圧力が500hPaだったら・・・
先ほどの説明のとおり,半分の空気しかない,つまり,半分しか吸えていないことになります。
本来の大気圧力の空気相当で25ccしか吸えていないことになります。


ね?間接的だけど,計れたでしょ?(・ω・


まぁ,だいぶ簡単に説明しましたが,エッセンス,要件としてはそういうことです。
本当は『体積』を交えてもうちょっとちゃんと説明しないといけないんですが,要点に絞るとこういうことになります。

なので,燃調コンピューターは圧力を元に噴射量を決定できるんですね。


さて,燃調コンピューターにはもう2つセンサーがあります。
吸気温度センサーと排気酸素濃度センサー(O2センサー)です。
これらは補正に使われます。

空気は温度が上がると膨張します。
でも空気の量自体は変わらず,伸びて薄くなるだけです。
こちらは『シャルルの法則』というものになります。
先ほどのボイルの法則とあわせて,『ボイル・シャルルの法則』なんていう風に呼びます。
高校の物理で習うかな?

で,ここで『薄くなる』が問題です。
薄い空気じゃ先ほどの説明のように,吸えた量が減ってしまいます。

なので,温度が高いときは空気の量が少ないので燃料噴射量を減らしています。


つまり,燃調コンピューターって『シリンダー容積×吸った空気の濃さ=吸った量』という風に吸った空気の量を計算してるんですね(・ω・


で,吸った空気の量がわかれば,燃調は空気と燃料の重さの比率ですから,燃調を12:1にしたければ吸った空気の重さの12分の1の燃料を吹けばいいわけです。
ただ,コレを毎回計算するのは,演算能力の低いマイクロコンピューターには大変なので,あらかじめ計算しておき,その答えの表である『燃調マップ』を持っています。
その表を見て,即座に答えが出せるようになっています。


では,排気酸素濃度センサーは?というと,こちらは燃料を吹いた結果,ちゃんと目的の燃調になっていたかを監視します。

物が燃える・・・燃えるというのは酸化反応です。
酸化反応というのは,物質と酸素がくっつく反応です。
このとき,熱や光を出す激しい反応だと『燃焼』,つまり『燃える』と呼びます。
ガソリンの場合だと,ガソリンは炭素と水素でできているので,酸素と結びつくと炭素は二酸化炭素(C+O2→CO2)に,水素は水(H2+O→H2O)になります。

さて,ここで酸素がたくさんあればガソリンと結びついても酸素は残ります。
逆に,燃料が多ければ酸素が足りず,酸素は残りません。

つまり,酸素の量で空気が多すぎたり燃料が多すぎたりしていないかがわかります。

なので,排気酸素濃度センサーは実際の燃調を知ることができます。
燃調コンピューターは実際に燃やしてみた燃調が目的の燃調だったか?を排気酸素濃度センサーで確認し,間違えが無いかを確認,ずれていれば燃料を吹く加減の修正を行います。


というわけで,この3つのセンサーで燃調を決定,補正し,正しい燃料と空気の混合比=燃調を制御できるわけです(・ω・


最近はエアフローセンサーをさらに追加し,空気を吸った量を直接測り,さらに精度を上げています。
ただ,理屈上はこの3つのセンサー・・・というより,MAPセンサーだけあれば噴射量は決定可能です。
ただ,コレでは精度が悪いので,今はMAPセンサー,吸気温度センサー,排気酸素濃度センサー,最近はエアフローセンサーを加え,4つの情報を元に噴射量を決定しています。


え?スロットル開度センサーが出てこない?
はい,こちらも燃調の制御にかかわっています。
ただ,このセンサーは『燃料の噴射量』というより,『燃調をいくつにするべきか?』を決定します。
急激にスロットルが開けば『急加速』,スロットルがたくさん開いているのに加速していな,加速が鈍ければ『負荷が大きい』と判断し,燃調を濃くします。
また,スロットル開度が増えていれば『加速』と判断し,これまた燃調を濃くします。
逆に,減っていれば『減速』と判断し,燃調を薄くしたり燃料カットを行います。

はい,今までのセンサーは『燃調を○○にしたいけど,どれだけガソリンを吹けばいいかな?』を計算する為のセンサーです。
ただ,『今の運転状況から燃調を○○にしよう』は判断できません。
そのため,スロットル開度センサーから『今の運転状況』を判断するようになっています。

このように,『運転状況』を検出するセンサーなので,なくてもエンジンは回ります。
SUZUKIの初期の頃のインジェクション車で,MTだとセンサーが『スイッチ』のものが在ります。
『アイドリング』と『アイドリングではない』の2つの状態しか見ていません。
スロットルを空ければインテークマニュホールドの圧力が上がるため,マニュホールド圧力を計っていればスロットルの操作に燃調を対応できます。
また,スロットルが開けばよりたくさんの空気が入る為,それに正しい燃調で燃料を吹けばシリンダーには多くの混合気が入り,パワーが出るのでちゃんと加速もしていきます。
なので,極論を言うとスロットル開度センサーはなくても一応エンジンは制御できます。


と,こんな風に,『圧力』を計るという考えは良く考えられた方法なんですね(・ω・


さて,運転状況を把握するという意味では,エンジン回転数もわからなければいけないので,TDCセンサーやクランク(カム)角度センサーも燃調にかかわるセンサーです。
一見,点火周期の決定に使うセンサーのようですが,回転数を知る為に燃調制御にも必要になります。
また,『どの気等のインジェクターを空けるか?』『実際にインジェクターをいつ空けるのか?』を判断しなければいけないので,上記に加え気等判別センサーと,クランクシャフトが0~720度のサイクルのどの位置にあるのか?がわからないと『燃料噴射』ができません。

水温センサーも燃調にかかわります。
水温が低い,つまりエンジンが冷えているときはガソリンが燃えにくく,始動性が悪くなったり,失火が起きやすいため,燃調を濃くします。
逆に,水温が高いとノッキングやオーバーヒートが起きてしまいますので,冷却や燃焼の調整のために燃調を濃くします。


さて,ここまでが基本的なセンサーです。
この先は,エンジンコンピューターに接続された他のセンサーを燃調制御にどう使っているかです。

ノッキングセンサーも燃調の為のセンサーといえば燃調の為です。
燃調が異常になるとノッキングを引き起こしますので,燃調の補正がかかります。
ただ,ノッキングは点火周期を進角しすぎても発生するので,燃調だけではなく進角の制御にも使っています。

D15B の 3stage VTEC エンジンであれば,EGRを行うのでEGRバルブリフトセンサーの情報も重要です。
EGRがかかると,排気を吸い込んだ分空気を吸い込む量が減ります。
そのため,今どれだけのEGRがかかっているかを知る必要が在ります。

エンジンコンピューターはキャブレターのように『燃調だけ』を制御しているわけではなく,エンジン全体を制御しているので,とにかくたくさんのセンサーがつながっています。
そして,それぞれの情報を元に燃調,点火周期・・・場合によってはトラクションまでを総合的に制御しています。

なにげな~く乗っている自動車ですが,こんな複雑なことになってるんですね(-w-;

逆に,エンジンのことがわかる人の場合は,インジェクションって敬遠されがちですが,わかってしまえば理屈は結構単純です。
マイコンが扱える人であれば,うっかり『作れるかも?』と思うかもしれません。
実際,エンジンコンピューターを自作している人はいます。


という訳で,今日はエンジンのブラックボックス,『エンジンコンピューター』の『燃調制御』でした(笑

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2013年12月23日 (月)

石油化学とクリスマスケーキ

え~っと,なんか不思議なタイトルですが,結構ショックでした。

というのが,親がクリスマスケーキを買ってきたので食べたのですが,クリスマスケーキっていろんな飾り付けがしてありますよね。
中にはサンタさんの形をした飾りが乗ってたりするかと思うんです。

で,あれって・・・
砂糖とでんぷんを固めたお菓子で,食べられるじゃないですか・・・

ところがですね・・・
今回のケーキ,プラスチックでできた飾りだったんです・・・
いや,食べられないとかそういう問題じゃなくて・・・



ここでこのタイトルなのですよ。



ふと,気がついてしまったんです。
スーパーで売っているケーキ,つまりコストを気にして作られたケーキなわけじゃないですか?
ということは,コスト増になることなんてしないはずです。

それどころか,コレ,食べ物です。

食べられないコスト増なんてありえないわけじゃないですか?




つまり,成型プラスチックのこのサンタさん,お砂糖のお菓子より安いということになります。



・・・

・・・

・・・

いや,私,石油化学工場の方で仕事してるもんで・・・







なに?この超欝なクリスマスケーキ ||!orz







油炊いて・・・

重油クラックして・・・

ベンゼンとエチレン作って・・・

酸化鉄触媒で反応させて・・・

スチレンのモノマー作って・・・

重合させて・・・

スチレンをポリマーにして・・・

金型作って・・・

ヒーター炊いてスチレン溶かして・・・

塗料作って・・・

片から取り出した成型樹脂製品に塗装して・・・





お砂糖のお菓子より・・・



安いって・・・



いや,お菓子作るのだって,立派な仕事だけど・・・








そんな,石油化学の工業に身をおく者には,なんとも欝なクリスマスです・・・

仮にそうでなかった(いや昔から既にそうだったんでしょうけれど)としても,そのコストを無視できなくなっているというのも憂鬱な話です・・・

トホホ・・・

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2013年9月28日 (土)

レギュラーの車にハイオク入れたら・・・って実際にやってみた

はい,仕事グダグダで最近日記サボってました。てか,寝ちゃってました(-w-;

さて,本日のお題。
先々週にレギュラーガソリンとハイオクガソリンの差につい講釈たれていましたが,実際どうなのよ?と。


と言うわけで試してみました(ぇ


今回の1匹目のまな板の上の鯉は豪華です。
なんと!


NSR250Rです!


いやね,配線いじって高出力マップに切り替えたのはいいんですが,たま~に進角きわどい感じがしていたので(--;
はい,『ハイオク入れるとどうなるか?』と言うより,『ハイオクで進角ごまかせるか?遅角っぽいことはできるのか?』の方が正確かもしれません・・・

で,まずは燃料補給時に1リットルだけハイオクを入れてみました。
16分の1だけハイオクですね。
『そんなの利くのかよ・・・』と言う感じですが,走ってみるとなんか様子が(苦笑

ただ,微妙な差だったので『プラシーボかな?』と思い,2リットルに増やしてみました。
すると,差が大きくなります。
どうも,プラシーボじゃないみたいです。

変化としては,振動が少なくなり滑らかにエンジンが回ります。
また,低速でのトルク感が増し,実際,発進もしやすいです。
高回転ではエンジンのカリカリした感じが減り,スムーズに回っていきます。

『それじゃぁ!』と4リットル,燃料の4分の1がハイオクの状態にしてみました。
と,コレだ入れると流石に高回転がちょっと重苦しい(苦笑
ただ,トルク感はある(-w-;
傾向として,燃調を濃くしたり,点火を遅らせたときの感じに近いです。


さて,この種明かしですが・・・まぁ,前回書いたとおりです。
『ハイオクは燃えるのが遅い燃料』と言うのがポイントです。

エンジンのシリンダー内では,プラグで点火すると混合気が燃え始め,プラグからピストンのほうへシリンダー内を炎が広がっていきます。いきなり全部が燃えるわけではありません。
身近にそれを見るなら,紙に火をつけてみてください。
いきなり全部は燃えず,徐々に燃え広がっていきますよね?
混合気も同じで,燃え広がるのには時間がかかります。
と言っても『ミリ秒』と言う一瞬の時間で燃え広がります。


てか,19,000rpmで回っているエンジンのクランクシャフトが1回転する時間は3ミリ秒,0.003秒なので(-w-;


まぁ,非常に短い時間ではあるのですが,プラグで点火して発生した炎がピストンに到達するのには時間がかかります。
このため,シリンダー内の混合気は『徐々に』膨張してゆき,最終的にピストンを押すことになります。

さて,ここで燃料の燃える速度が遅かったらどうなるでしょう?
ピストンを押すまでにかかる時間が遅くなりますよね?
コレは点火するタイミングを遅くするのと同じことです。
火をつけるのが遅ければ,炎が到達するのは当然遅れます。

つまり,遅角したのと同等の事がおきるんですね。

さて,遅角したような状態になることはわかりました。
ではトルク感や振動の減少はどうでしょう?
コレも,結局『燃えるのが遅い』のがポイントです。

例として,同じ紙でも丸めて火をつけるのと,平らなまま火をつけるのでは,どちらが暖かく感じるかです。
平らなままだとすぐに火は燃え広がり,すぐに暖かさは感じられなくなります。
反面,丸めて火をつけると燃えるのに時間がかかり,暖かさを長く感じることができます。

この,『感じ方』がポイントです。

長く燃えていると,長い間暖かさを感じます。
コレをエンジンに当てはめれば,膨張が長く続くことになります。
つまり,ピストンを長い間押すことになります。
このため,一瞬だけドンッ!と押してあとは惰性で回っていたのが,押されている時間が長くなり,トルク変動が減ります。
その為,滑らかに回っているように感じます。
また,力が抜けている時間が少なくなるため,トルクを感じ,また力の切れ間が減るため当然発進もしやすくなります。

が,もうひとつ考えなければいけない事があり,感じ方は違えど燃えている物はは変わらないと言う点です(苦笑

先ほどの例であれば,『同じ紙』なので,発生する熱量は変わりません。
ガソリンのほうはと言うと,厳密にはハイオクの方が若干熱量は多いのですが,その差はわずかです。
では何が変わるかと言うと,『熱の利用効率』が変わります。
一瞬で終わってしまうとピストンを一瞬しか押せませんが,徐々に燃えればピストンを押し続けられます。
発生した熱から力を取り出せる時間が増え,結果的により多くの力を取り出せます。


と言うのが,今回感じた変化の種明かしです(・ω・


さて,これじゃぁなんだかハイオクを入れたほうがよさそうですよね?
でもそうは行きません・・・


と言うのが2匹目のまな板の上の鯉の登場です(笑


お次は CIVIC FERIO Vi でも試してみました。
こちらは最初から4分の1程度をハイオクにして見ました。
が,こちらの変化はNSR以上でした・・・



とにかくエンジンが吹けあがりが悪い!笑っちゃうぐらいかったるい!(苦笑



いや,マジで(-w-;

こちらも傾向はNSRと同じです。
やはりトルク感はあるんです。
実際,坂を上るときもいつもなら失速する場面で失速しません。
『トルク感』と言うより,高負荷時は実際にトルクがあります。

が,とにかく回転数の上がりが鈍い。
高回転にいたっては顕著で,とにかく重苦しい。
『おい,コレほんとにHONDAの車か?』って思ってしまうぐらいです。

さて,コレだとなんかよろしくない感じですね?
『でも待てよ?』と思い,試してみたらドンピシャ。


ECONOランプ(希薄燃焼時につくランプ)が消えにくくなってるwwww


トルクが増した分,スロットルをそんなに空けなくてもゆっくりとですが加速していきます。
その為,ECU的には『スロットル開度が低い』『ゆっくりと加速している』→『そんなにパワーを必要としていない』となり,さらには『回転が安定している』→『燃焼が安定している』→『もっと燃料を薄くしても平気』となったようです(苦笑

こんな調子なので,街乗りのような加速度が要求されない条件では,むしろいいことなのかも?
『コレはひょっとして・・・』と燃費を気にしてみることにしました。
今までと同じ条件になるように・・・と言っても,気温が下がったためエアコンのコンプレッサーが動く時間が減ってしまっており単純計算では・・・

なんて気にする必要ありませんでした。


殆ど変わりませんでした(爆


まぁ,ねぇ・・・
うちFERIOのエンジンってば・・・

Img_3363

エンジンオーバーホール済みだしね。



自前でな(--;



まぁ,そういう意味では正確な値かもしれないね・・・
結局,加速時に踏んでしまうようです。
まぁ,発生する熱量変わらんからね・・・
ふけ上がりがトルクになっただけ,そんな気分です。
気分的な表現ではね。



さて,今度はこの種明かしです。
コレまた『ハイオクは燃えるのが遅い』です。

先ほど『炎が燃え広がるのには時間がかかる』『ハイオクは遅い』と書きましたが,コレがポイントです。
熱のある部分は膨張していますが,熱のない部分は膨張していません。
膨張していない部分はピストンを押す力,『圧力』がかかっていません。
その為,ピストンにちゃんと炎が到達していないとピストンをちゃんと押せないことになります。


そんだけ(・ω・


別に,『熱がないから圧力がぜんぜんない』わけではありません。
しかし,シリンダーの中身は気体なので,ギュッ!と押されると圧縮されちゃうんですね。
なので,力が逃げちゃいます。
圧縮されれば圧力が発生しますので,結果的には押しているのですが,ブヨブヨした物を押しているようなもので,力がちゃんと伝わらず中途半端にしか力がかからないんですね。


言い換えれば,炎が燃え広がるのが遅く,炎がピストンに追いついていないんですね。


で,コレは高回転になればなるほどピストンの速度は速くなり,どんどん追いつかなくなっていくんですね。
なので,高回転でのフィーリングが悪化するんですね。

では登坂時のトルクは?と言うと,コレは負荷が重いため失速し,ピストンの速度がすぐに遅くなるからです。
その為,炎がピストンに追いつくんですね(-w-;
結果,高負荷時は具合がよかったようです。


さて,私の CIVIC FERIO Vi はレギュラー仕様ですので炎が追いつきませんが,上位グレードのB16Aを搭載するSiは炎が追いつくように点火するタイミングが早くなっています。
NSRの所で書いてきたことの逆をやってるんですね。
そこで先ほど書いたとおり,ハイオクは効率よく熱を力に変えられるので,ハイオクの恩恵にあやかれるようになっています。


つまり,結果としては前回書いたとおりと言うことです(苦笑


まぁ,やってみて一番感じたのは,完全にハイオクにせずともこんなに差が出たしまうものなんだな,と言うのが印象的でした。
FERIOに関しては,ホント,笑いが止まりませんでした(苦笑
『ちょwwwwえぇええええぇwwww』『うわ,吹けあがらねぇwwww』と大爆笑(-w-;

やはり,設計に基づき指定されているものなので,NSRのように『理由』がない限りは,燃料はむやみやたらと変えないほうがよいようです(苦笑

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2013年7月20日 (土)

化学物質と生物

テレビを見ていたら,最近の学校給食の食器は強化された陶器が使われているという話がありました。
まぁ,元ネタはアルマイトの食器が減ったという話で,熱いものを入れるとアルマイトは熱伝導率が高く熱くて持てない,犬食いが増えたからという話でした。

さて,私たちのときはどうだったかというと・・・う~ん,確かに陶器だったときもありました。
ただ,あれ,スッゲー重たいんですよね。
で,当然落とすと割れるし。
低学年の子は割りまくってました。


で,『子供が持てないし,割れて危ない!』と言う事で却下となりました(笑


そんなもんで,『何で陶器なんだろう?』と思ったら,『物を大事にすることを学ぶため』だそうです。
まぁ,正直『そんなの家で教えろや!』ってのが本音ですが(苦笑
それしか放送の中ではありませんでしたが,今は陶器もいい物があり,軽く,薄く,丈夫に作れるのも要因にあるかと思います。

そして,もう一つ要因があるでしょう。
というのが,樹脂が最近は敬遠され気味という点です。

たとえば,フェノール樹脂。一般的には『ベークライト』ですね。
原料はアルデヒドとフェノールを反応させて作ったビスフェノールAという物質です。
昔は食器なんかにも使ったんですけどね。
というのが,耐熱性が高く,機械的な強度もまずまずで丈夫,樹脂なので軽いという特徴があったためです。

しかしこのビスフェノール,これは内分泌撹乱物質,いわゆる環境ホルモンです。
で,高温になるとコレが溶け出すという話があり,今はあまり見ない気がします。

その他,メラミン樹脂というものもありました。
こちらもフェノール樹脂同様,耐熱性が高く,機械的な強度もまずまずで丈夫,樹脂なので軽いという特徴があったためです。

しかし,メラミン樹脂も良くない話が出てきてしまいました。
メラミン樹脂は溶剤で溶かしたあとに固めるのですが,この際にホルムアルデヒドを用いる場合があり,それが残留することがあるというものです。

これらの為か,最近はあまり見なくなったように感じます。



まぁ,もっとも,私この食器でたらふく給食食べましたけどね(・ω・



はい,私が小学生だった頃,食器は樹脂の物が圧倒的に多かったです。
軽くて割れにくく,割れても『二つに割れる』程度で,陶器のようにとがった粉々の破片になることはありません。
その為,樹脂が用いられることが多かったです。
樹脂は熱伝導率が低く,熱くなりませんからね。
でも有害・・・有害ねぇ・・・


まぁ,私普通に生きてるし,幼馴染にもちゃんと男の子生まれましたけどね(--;


・・・とココで疑問なのでが,私ら平気だったんですが,そんなに敬遠する必要あったのかな?と。


で,タイトルの話です。
『人体・生物に完全に無害,絶対に害の無い化学物質』はあるのでしょうか?



答えは『無い』です。



多かれ少なかれ,人体に影響を与えます。
例を挙げれば,『塩』です。
塩は人体に必要ですが,過剰に摂取すれば高血圧になります。

もちろん,人工の化学物質はそれと話は異なります。
しかし,突き詰めて言えば同じなのです。
では,人工の化学物質は安全なのか?と言う事になりますよね?
これ,答えを出すとすると・・・


『ゼロではないが,必ずしも100や200というわけではない』


です。
多かれ少なかれ,人体に影響は出る可能性があります。

危険とするかどうかは,それに至る量です。
極微量でも即座に影響が出る物質は身近には使えません。
では身近にある物質はどういうものかというと・・・


『気が遠くなるほど極端に多量に摂取しなければ問題の出ないもの』


です。
ホルムアルデヒドも極微量であれば,実は特に問題は出ません。
多量に取り込むか,時間をかけてトータルで多量に取り込むと問題が出ます。


つまり,『ゼロではないが大きいとも限らない』というものです。


言ってしまえば,次亜塩素酸カルシウムも毒物です。
なんてったって,漂白剤や殺菌剤ですからね。
生物である『菌』が死ぬのですから,人体にも有害です。
しかし,私たちはコレを摂取しています。


次亜塩素酸カルシウムとは『カルキ』の事です。水道水に含まれています。


これはまさに,『ゼロではないが大きくない』為,消毒用に用いられています。
人体への害が無い範囲で,メリットを使っているわけです。

とは言うものの,『害がある』と聞いて気持ちのいい人はいませんよね?
でも,害が絶対に無いものはありません。
さて,どうすればいいでしょう?


答えは『うまく付き合う』です。


はっきり言って,これしかありません。
完全になくすことは出来ないので。
完全に無くそうものなら,この世界は原始時代に戻ります。

一番大事なのは『度量越えればみんな毒』と言う事です。
逆に言えば,『度量超えなければ平気』ともいえます。
もちろん,メーカーや研究所は日夜安全な物質を捜し求め努力をしています。
しかし,どんなに頑張っても『ゼロ』にはならない以上,私たちも賢く付き合う必要はあります。

よく『こんなに体に悪い』とか『こんなにいいことが』なんて大騒ぎのように書いたり話をしていることがありますが,ある意味『正解』ですが,ある意味では『とんだ大馬鹿,大間違え』です。
大事なのは賢く付き合うことです。
間違っても,『みのもんた症候群』などにかからないでくださいね・・・

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2013年6月30日 (日)

キリンとブラフマン,D-LIVE・・・マシン,機械,人生観,世界観

よく,『バイク乗りのバイブル』といわれる,東本昌平氏の漫画『キリン』。
つまみ食い的に読んだ事はあるのですが,『バイク乗りのバイブル』というのがどうも今一ピンとこない。
まぁ,私もバイクのりですが,何かしっくりこないというのが本音です。
『こっち側』と『向こう側』で言うのなら,私は『向こう側』,つまり自動車のほうが先です。
そのせいなのか?とも思ったのですが,どうも違うような?

なんだか気になり,先日,よくよく読んでみようかと1冊買ってみることにしました。
で,これがまたよくよく確認せず買ったもんで『The Happy Ridder Speedway』の方だったり(苦笑


でもコレ,正解だったかもしれません。


多分,キリンって『バイク乗り”だけ”の漫画』ではないのかな?と。


バイクを題材に,もっといろんなことを書いてるのかな?と思ったのが本音です。
なんだか,そう思わせるシーンが多かったです。

というか,冒頭に書かれているこんな文章・・・


その町で生まれ,
その町で育ち,
抑圧されているとも
感じない者たち。

だが,ある者が気づき,
また,ある者が気づく。
”自由”が奪われていることに。

町に迷い込んだ男は思う。
自分もまた,この町から
出なくてはならないと・・・。

”自由”を求め,疾走せよ。


内容もそんな感じです。
こういった感覚って,バイクに限らず,感じる人は結構いるんじゃないでしょうか?
単純に,思春期には一度位は感じるかと思います。
バイクというもの自体,思春期の象徴的な側面もあります。

私は主に『機械』にかかわりますが,法律,保安基準,JIS・・・といろんな縛りを受けます。
何かをしようとすれば,国,保安協会,試験場・・・色々な『試験』『審査』を受けます。
そして,それをクリアするには『個人なんかが到底できるわけがない』『事実上不可能』『実態として禁止もいいところ』といった内容になります。
たとえば,『ロケットを自分で作って宇宙に行きたい』なんて,『日本の法律・基準』ごときのスケールではすまなくなります。


結局,『何かを求め,何かをする』,そういう人たちの姿,生き様,人生観を描いているように感じます。


つまり,『バイク乗りのバイブル』ではなく,『追い求める者のバイブル』なのではないでしょうか?
キリンという漫画に私はそう感じました。
違った意味で興味があり,また,好きな作品です。



さて,『バイク』というものがかかわる漫画に,貴島煉瓦氏の『ブラフマン』という漫画があります。
どちらかといえば,私はこちらの方が分かりやすいです。

こちらは『バイク』は一つの要素です。
本題は『ブラフマンシステム』という架空のシステムと,それを機軸に複雑に展開されるストーリーです。

で,こちらにおいて『バイク』は,バイクという『機械』に感じる不思議な感覚が取り上げられています。
キリンとは大違いですが,コレはバイクに乗ったことがある・・・というより,『詰めた走り』,たとえばサーキットを走ったり,モトクロス競技をやった事がある人が感じる感覚ではないでしょうか?
本来,バイクは単なる機械で,意識も感情も,思念も無いはずです。
しかし,不思議とそれを感じることがあります。

作品中でも,登場人物が載るYZF-R1を題材にそういう表現があります。
話の中で破損し乗り換えることになったYZF-R1,それに対しシックスセンスや超能力的要素をもつ登場人物が『機械とは思えない強い思念を感じた』『新しいバイクにも,弱いが感じる』というシーンがあります。


これは,バイクに限らず,『機械』という物にかかわる人なら一度は感じるのではないでしょうか?


似たような作品として,皆川亮二氏の『D-LIVE!!』があります。
お決まりのせりふは『お前に生命(いのち)を吹き込んでやる!!』『お前に魂があるのなら…応えろ!!』です。
その後,機械が『答えた』と思しきシーンがあります。
作品中にはバイクや自動車に限らず,船,飛行機,建機,電車も出てきます。

まぁ,いずれも人間の勘違いなんでしょう。
たまたまおきた事を,人間がそう思っているんでしょう。
でも,こう思うことがあります。


『10年使われたものには神様が宿る』という言い伝えがあるけれど,アレはちょっと違う。

物・・・特に『動く』機械・マシンには作った人,設計した人の思いや思念の欠片が宿っている。

その思いを受けとったマシンは,10年の時間をかけ育ち,そのものとして,自身の思念,意思が宿る。

ピノキオが操り人形から自立した人形に,そして人になったように。


まぁ,コレも機械弄りすぎた人間の戯言でしょう。
しかし,興味深い話があります。


人間の脳神経活動の一つに,使い慣れた道具や機械を,体の一部のように感じる現象があるそうです。

あたかも,ソコに神経があり,感覚があるように錯覚するそうです。


多分,実際に『感じている』のは手や足,実際の体で,その感覚が研ぎ澄まされているため,微妙な変化をしっかりと感じているだけのことなんでしょう。
それを『道具の先』ではなく,『自分の感覚』と錯覚しているんでしょう。

この辺が,これらの現象の答えかもしれません。

まぁ,勘違いだったとしても,そう勘違いさせる機械・マシンというのは不思議です。
時に,人間の世界観や人生観すらにも影響を与えます。

魔性の存在,『機械』・・・やはり魅力的です。

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2013年4月 6日 (土)

黒鉛炉

原子炉の方式の一つに『黒鉛炉』というものがあります。


原子炉はウランなりプルトニウムなりの放射性元素を核分裂させ,その熱で蒸気を作りタービンを回して発電しています。
『原子力湯沸かし器+風車』といった感じです。

核分裂反応が起きると放射線と熱,そのほかに『中性子』というものが出ます。
で,放射性元素に中性子がぶつかると放射性元素は核分裂を起こします。
コレにより原子炉は連鎖的に核分裂し続けるようになっています。

で,原子炉には『減速材』というものが入っています。
コレは何をするものかというと,非常に高速(秒速20,000km程度)で飛び散ってゆく中性子の速度を落とすために使います。
というのが,中性子の速度が遅ければ遅いほど核分裂反応の効率がよくなるからです。

こういった方法を取る炉を『熱中性子炉』とよび,今の原子力発電に使われる炉のほとんどはこの方式です。
逆に,減速を行わず高速なままの中性子を使うものを『高速中性子炉』と呼び,高速増殖炉があります。
ただ,こちらはホントに数えるほどしかありません。
さらに大きなくくりの違いで『核分裂』ではなく,『核融合』を使用したろ炉もりますが,こちらは実験段階です。

さて,『減速材』についてですが,『軽水炉』という水を使った炉がほとんどです。
世界中の原子炉の80%はこの方式を使用しています。
また,水でも普通の水よりも重たい特殊な水,『重水』をつかった『重水炉』というものもあります。

と,まぁほとんどの原子炉は減速材に水を使っています。
というのが,『冷却水』なんて言う言葉があるように,水は冷却材としても使用でき,また減速させる能力に優れ,水はありふれた物質なので簡単に手に入るため,良い事尽くめなのです。


しかし,水を使わない炉もあります。
それが『黒鉛炉』です。

名前のとおり『黒鉛』,つまり『炭素』を使う炉です。
どんな物質も中性子を吸収してしまう(というより,中性子がぶつかると同時に物質が壊れる)性質があるのですが,水に比べ黒鉛がそれが少なく,減速の性能もまずまずなので使われていました。
中性子の吸収が少ないため,吸収されずに反応に使われる中性子の量が増えます。
そのため,中性子が放射性元素にぶつかる確率が高くなり,薄い燃料でも反応が可能です。

反面,減速の性能は『まずまず』なので,しっかりと減速するためにはたくさんの黒鉛が必要となります。
そのため,軽水炉に比べると大型化してしまうという問題があります。
そのほか,黒鉛=炭素なので,運転中の高温化では酸素に触れると二酸化炭素になってしまい減速材が自然に減っていってしまうという短所もあります。

まぁ,この辺は大して問題ではないんです。

黒鉛炉の中でも『黒鉛減速軽水冷却炉』や『黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉』呼ばれる炉があり,炉の部分だけを抜粋すると下の図のようになっています。

Photo_2
このように,黒鉛炉ではあるのですが,燃料の周りには水が入っており,蒸気を作りつつ冷却しているという構造になっています。
しかしこの炉,水が沸騰し始まると制御がしづらいという欠点があります。
水が減速材として機能すると書きましたが,水が沸騰してしまうと水の『薄い場所』と『濃い場所』ができてしまい,減速が場所によりまばらになるためです。
コレを嫌ってほとんど採用されませんでした。


さて,数少ない黒鉛減速軽水炉ですが,その中で最も有名なのは『РБМК-1000』という炉です。
なんか文字からしてどこの国の物か容易に想像つきますが(苦笑


この炉は黒鉛炉の中でも少し変わっていて,低出力領域に限り中性子の速度が速ければ速いほど反応の効率がよくなるという,通常の炉と逆の性質を示す炉でした。
で,この領域では反応を抑制するための制御棒を急に多量に入れると逆に出力が上がってしまうという,困った性質を持っていました。
最悪の場合,反応が止まらないどころか,かえって出力が上がり,暴走,爆発してしまうという炉でした。


てか,実際に爆発したんですけどね。


というのがこの『РБМК-1000』,チェルノブイリ原子力発電所の炉です(-w-;


この『黒鉛減速軽水冷却』,昔ロシア(当時ソ連)が好んで使った方式なんです。
黒鉛炉は薄い燃料でも反応する為,好まれたそうです。

また,構造が簡単で作りやすく,さらに単純な構造ゆえ構造物が少なく,作った部品を運ぶのも楽だったので。
とにかく広いロシアでは運ぶのも大変ですから,この点でも好まれたようです。

因みに黒鉛減速軽水冷却炉は,別名『チェルノブイリ型原発』と呼ばれています。

なぜ事故になったのか?というと,よく『変な実験をしていて実験に失敗した』見たいな言われ方をしますが,実験自体は問題ではありません。
問題は『低出力時に普通の炉とは異なる挙動を示す』と『その状態で制御棒を挿入すると暴走する』,そしてオペレーションミス(操作ミス)です。


爆発の直前は,実験のために出力を落としていた,つまり『他の炉とは違う挙動を示す領域』で使っていました。
この状態では危険なので制御棒を何本か入れておき,暴走しないように運転します。
コレを怠ると暴走してしまいます。
しかし,ここで出力を上げようと・・・


制御棒抜いちゃったんですね。


後はもう事の顛末と性質からして,どういう道をたどったのかお分かりですね?
制御棒を抜いてしまったため暴走し出力が急上昇,あわてて緊急停止,つまり制御棒を挿入したのですが,挿入すると余計に出力が上がる炉であったため,さらに出力が上昇。


まぁ,爆発するわな(--;


で,盛大に放射能をばら撒くことになるのですが,大量にばら撒かれた理由はもうひとつあります。
先に『黒鉛炉は大きくなる』と書きましたが,その中でも特に高出力だったРБМК-1000,あまりにも大きくて格納容器がなかったんですね。
なので,炉の中にあった核燃料までも外まで飛び散ってしまいました。
福島第一原発の事故の際,確かに汚染はあったのですがチェルノブイリほどではなかったのは,福島第一原発は軽水炉で小型,チェルノブイリの事故の反省もあり,ちゃんと格納容器で原子炉を覆ってあったためです。

もっとも,格納容器の一部にあたる,サプレッションプールに損傷を負っているようですが(´・ω・`



はてさて,何でこんなことだらだら書いたのかというと・・・
いやね,新聞をぼけ~っと読んでたらね・・・
なんか北朝鮮が馬鹿騒ぎしてるじゃないですか・・・
で,核施設を動かすだの何だのといってるわけなんですが・・・


寧辺核施設,黒鉛炉なんかい!(-w-;


まぁ,黒鉛炉といっても『黒鉛減速ガス冷却炉』,チェルノブイリ型ではありませんけどね。
その点まだ多少はましで,制御はしやすい炉です。
反面,効率の悪く,反応が不安定で反応が止まりやすい炉ではありますが・・・
まぁ,『止まる』んでまだ安全ではありますけどね・・・

でね?書いた理由がもうひとつあってね?
今,黒鉛炉ってどんなところで使われてるのかなって・・・・
調べてみたらね・・・
黒鉛減速ガス冷却炉ではあるんだけどね・・・


日本にもあるやんけ!(-w-;


てか・・・・


茨城の東海原子力発電所,黒鉛炉だったんかい!!(-w-;;



まぁ,もう運転はしてなくて,解体中ですけどね。
なんか,思いのほか効率が悪かったようです。
あ,今運転してるのは東海『第二』のほうです。

今となっては,原子炉解体・廃棄のモデルにすらなってます。
最も,他の炉は軽水炉なんで黒鉛炉と同じように解体できるとは思えませんが。

と言うより・・・なぁ・・・


もう運転していないっても,あったこと自体驚きだよ(´・ω・`



世の中・・・
調べてみるモンですね・・・

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2013年1月30日 (水)

真空管と2ストロークエンジン

ココ最近,真空管の話が多かった感じですが,ふと考えたことが。
2stと真空管,何れも愛好家から好かれるのですが,時代に合わず風前の灯になってしまっているデバイスです。
確かに,何れも今時の要求性能に対してはあまり芳しくありません。

真空管であれば,ヒーターの電力を食うためトランジスタに比べれば無駄な消費電力が大きいです。
また,ヒーターは電球のフィラメント同様,いずれは切れてしまうので有寿命の部品です。
低消費電力化が騒がれ,壊れないのが当たり前,壊れたら修理せず買い換えるのが普通の時代にはそぐわないデバイスです。

これらに関しては2stも同じです。
リードバルブはだんだんヘタってしまいますし,潤滑も4stに比べると不十分でシリンダーの焼きつきを起こしやすく,潤滑が不十分ですから損耗も早いです。
また,4stと異なり,吸気と排気が同時に行われる『掃気』であり,混合気が排気に飛んでいってしまい燃費もよくありません。
また,混合気,つまり生ガスが出てしまいますので排気中のHC分が多く,環境に良くないエンジンです。
まぁ,この辺はチャンバーや排気デバイスで改善されていますが,オイルが混合気と共に燃えてしまうため,どうしてもHC分は多いです。

しかし,何れも特徴があり,他のデバイスの性能がまだ良くなかった頃は多く使われたデバイスです。
なので,冷静に考えたとき,『性能が悪い,時代錯誤のデバイス』とまでレッテルを貼るのは何か変な気がします。


単に時代と技術が移り変わったに過ぎません。


むしろ,今となっては非常に特徴的なデバイスとなっています。


真空管にいたっては,鉄とガラスでできています。
半導体の原料であるシリコンも,ドーパンドである硫黄や窒素,砒素もありません。
動作は『電子・電気の性質』という単純な古典力学だけが使われ,非常にシンプルです。
半導体は,PN接合ダイオードであれば古典力学なのですが,それを成立させるために化学と量子力学の塊になっており,仕組み上,構造・動作を見たくても見ることすらできません。
ショットキーバリアダイオードにいたっては量子力学的要素が大きいです。

2stも面白い構造をしています。
単純に考えれば,混合気を容器に入れて,圧縮して,点火して爆発・膨張させてピストンを押し,燃えカスは排気する・・・と考えてしまいます。
しかし,2stは『混合気で排気を押し出し混合気に入れ替えたら,1回で2つの工程を同時に行えるじゃん!』という,ちょっとひねった工夫がされています。
実際,4stのほうが機関としては考案されたのが古く,2stのほうが考案されたのは後です。

もし,廃れなかったら・・・

『集積真空管』なんて物もあったかもしれません。
複合管という,複数の機能をひとつにまとめた真空管が実際にあるのですが,その発展として差動増幅回路の結線を済ませた状態でガラス管に封入した『差動増幅管』なんてものが作られたかもしれません。
いや,確か似たものがあった気がします・・・

ソレノイドでバルブを駆動するバルブトロニックをヒントとして,『電子タイミング制御2stエンジン』なんてものもあったかも?
EGRをヒントに掃気工程で流れてしまう混合気を吸気に戻すとか・・・

まぁ,真空管はともかくとしても・・・


正直,2stにいたっては見切りが早すぎただけのような気もします。


さて,そんな不運半分のような気もするデバイスたちですが,一部の愛好家によって今も使われ続けています。
では,私はそういった愛好家かといえば・・・


そうでもありません。


私の場合は,完全に廃れてなくなる前に『どういうデバイスなのか?』を知っておきたいというのが8割です。
愛好家的感覚は2割程度に過ぎません。
装置として知りたい,自分の手で弄ってみたい,自分の感覚で経験したいというのが本音です。
経験してみた結果としては・・・


うん,知っておいて良かった (・ω・


半導体や4stにはない良さを,幾つか『感じ』ました。
また,先ほども書いたとおり,見慣れた『今時』のデバイスと異なり,特徴的で新鮮でした。
最も,やはり劣る点もあり,廃れた理由も感じましたが(苦笑

一般論だけを聞いていると,どうしても考えが偏りがちになります。
時代の話を原理原則におくと,どうしても流されやすくなります。



なんだかやたらとめまぐるしい時代,いちど一呼吸おいて『なぜなのか?』を『自分』で『感じ』て見るのも,悪くないのではないでしょうか?

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2013年1月18日 (金)

787

何だか,最近話題のこの3桁の数字。
まぁ,ご存知の通り,飛行機ですね。
今日,新聞の1面に大々的に書かれていました。

内容としては,アメリカの連邦航空局がボーイング787の一時運行停止を命じたとの事です。
その理由は『バッテリーからの出火の可能性があるため』,だそうです。
で,よくよく読んでみると・・・


リチウムイオンバッテリーを使用しているようです。


こんな所でこの名前聞くとはね・・・
よくよく考えてみれば,小型軽量,飛行機に『もってこい』ではあります。

まぁ,本当にバッテリーが悪いのか?それともその先の回路が悪いのか?
兎に角デリケートなバッテリーですので,使い方次第では発火に至るバッテリーです。
反面,一時国外で製造したバッテリーに品質上のトラブルがあった時期もあります。
また,急速に性能が向上した時期は,充電制御回路の設計の不備(不良というより,知らなかった)でトラブルとなったケースもあります。


また,開発がちょうどその時期とかぶっていた機体でもあります。


何かが見過ごされたような気がします。
まぁ、バッテリーと共に焼け焦げたケーブルを見ると,ソッチもソッチで,なんかあまりセンスがよさそうには見えませんでしたが(--;



さて,話ががらりと変わりますが,ロシアにこんな考え方があります。
私の好きな考え方です。

ロシア人の『良い物』に対する考え方なのですが,ちょっと最近の発想とは異なるかもしれません。
ロシアの人が言うには,いいものというのは・・・

『長く使われたものは良い物』

・・・なんだそうです。
ロシアが40年も昔に設計されたはずの『ソユーズ』を相変わらず使用しているのはその為です。
決してソユーズの開発も順風満帆ではありませんでしたが,今となっては,よい点を生かし熟成された設計になっています。

でも,よくよく考えてみれば,それは正解なはずです。

『良くない物』であったら皆使うのをやめ,長くは使われないはずです。
『良い物』であれば皆長く使うはずですし,壊れたらまた同じものを買うでしょう。
そして,もし壊れる場所が同じであれば,そこを改善し,『より良い物』に作り変えるでしょう。
『良い物』の性質を受け継ぎ,『その中のよくない点』を改善,『より良い物』になっていくでしょう。

考えれてみれば簡単な話です。


変化の早い時代,むしろ変化『する事事態』が『良し』という時代,何だか大事な事を忘れているような気がします。

いえ,変化は必要ではあるんです。
いつまでも既存の考えばかりを『崇め』ても,『既存+α』止まりで革新的な考えが出てきません。

しかし,『変化』は『進歩』の為の『過程・手段』です。
『変化』は目的ではありません。
あくまで目的は『進歩』です。

この辺はどっちがよいということは無いでしょう。
最後は単純に,『バランス』の問題です。



バランスは,一体いつになったら取れるんでしょうね?

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